聞いて極楽見て地獄
(きいてごくらくみてじごく)
聞くと見るとは大違いだということ。話に聞けば極楽のように思えることも、実地に見れば地獄のようであるの意から言う。
類語: 「見ての極楽住んでの地獄」、「見ると聞くとは大違い」、「百聞は一見に如かず」、「聞いて千金見て一毛」、「聞いて千両見て一文」、「聞くと見るとは大違い」
気韻生動
(きいんせいどう)
書画・詩文などの芸術作品に、気高い風格・情緒が生き生きと満ちていること。
気宇壮大
(きうそうだい)
度量・構想などが並外れて大きいさま。「気宇」は心の広さ、心がまえ、器量の意。
帰依三宝
(きえさんぽう)
仏・法・僧の三つに帰依すること。仏教徒としての最低条件。帰依は帰命ともいい、すぐれたものに帰順すること。転じて、絶対の信を捧げ、よりどころとする信仰の意。
気炎万丈
(きえんばんじょう)
燃え上がる炎のように非常に意気盛んであること。
既往は咎めず
(きおうはとがめず)
過去のことを咎めだてしてもはじまらない。むしろ将来を慎むべきであるということ。「既往」は過ぎ去ったこと。
同意語: 「既往不咎」
類語: 「過去のことなど水に流そう」
既往不咎
(きおうふきゅう)
⇒「既往は咎めず」
棄灰の刑
(きかいのけい)
刑罰がきわめて厳酷なこと。かつて灰を道に捨てただけで手を切られるという刑罰があったというように、犯した罪は軽いのに、罰がはなはだ重いことをいう。
奇貨可居
(きかおくべし)
⇒「奇貨居くべし」
奇貨居くべし
(きかおくべし)
得がたい機会は上手に利用しなくてはならないということ。「奇貨」は、大切にしまっておけば、やがて大きな利益を生んでくれる価値ある珍品。
同意語: 「奇貨可居」
類語: 「好機逸すべからず」
気が置けない
(きがおけない)
気を遣わなくてもよい。遠慮する必要がなく、心から打ち解けられることを言う。「気が許せない」と解するのは間違い。
帰家穏座
(きかおんざ)
長らく放浪していた者が、故郷の自分の家に帰って身も心も落ち着く。転じて仏教では、人間が本来自分に備わっている仏性に立ち帰って安住すること。
気が利いて間が抜ける
(きがきいてまがぬける)
注意が行き届いているようでありながら、肝心なところに落ち度がある。気の利いたところを見せようとして先走りし、何でもないようなところに手抜かりがあることにも言う。
同意語: 「気が利き過ぎて間が抜ける」
騎鶴揚州
(きかくようしゅう)
やりたいことを、一気に全部やろうとすること。
葵花向日
(きかこうじつ)
夏の点景を、熱い太陽に向かって咲き誇るひまわりの姿に託した言葉。
危機一髪
(ききいっぱつ)
一つ間違えば重大な危機に陥るという瀬戸際のこと。極めて危ない状態。一筋の髪の毛で
奇奇怪怪
(ききかいかい)
常識では理解できないような不思議な出来事。あるいは容認できないようなけしからぬこと。
聞き上手の話し下手
(ききじょうずのはなしべた)
人の話が上手に聞ける人は、えてして話すのが不得手であるということ。
反意語: 「話し上手は聞き上手」
忌諱に触れる
(ききにふれる)
人の忌み嫌うことを言ったり行ったりして、機嫌を損なうこと。「忌諱」は忌み嫌って口にするのもはばかるようなこと。
危急存亡
(ききゅうそんぼう)
⇒「危急存亡の秋」
危急存亡の秋
(ききゅうそんぼうのとき)
危機が差し迫り、生き残れるか滅びるかという重大な瀬戸際のこと。
同意語: 「危急存亡」
箕裘の業
(ききゅうのぎょう)
父祖伝来の家業を受け継ぐこと。
規矩準縄
(きくじゅんじょう)
物事や行為などの標準となるもの。規準・法則のたとえ。
聞くと見るとは大違い
(きくとみるとはおおちがい)
噂で聞いたことと、実際に目にしたことでは大きな違いがあるということ。
同意語: 「見ると聞くとは大違い」
類語: 「聞いて極楽見て地獄」
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
(きくはいっときのはじきかぬはいっしょうのはじ)
知らないことを問いただすのは無知をさらけだすようで恥ずかしいが、それはそのときだけのことで、分からないままに生涯を過ごすのはもっと恥ずかしいということ。
同意語: 「聞くは一旦の恥聞かぬは末代の恥」、「問うは一旦の恥問わぬは末代の恥」、「問うは当座の恥問わぬは末代の恥」
類語: 「下問を恥じず」
反意語: 「堂に升りて室に入らず」
菊有黄華
(きくゆうこうか)
菊に黄色の花がつくこと。そのような光景。秋も盛りの風物詩のこと。
詭計多端
(きけいたたん)
あれこれ悪巧みする。悪知恵のはたらく、悪賢いさま。
聞けば聞き腹
(きけばききばら)
聞かなければそれまでだが、なまじ聞いたためにかえって腹立たしくなるということ。
類語: 「見ぬ物清し」、「人生字を識るは憂患の始め」、「聞けば気の毒見れば目の毒」
聞けば気の毒見れば目の毒
(きけばきのどくみればめのどく)
聞けば聞いたで心は乱れ、見れば見たで心が迷うということ。聞くもの見るもの、すべて煩悩の種とならないものはないの意で言う。
類語: 「聞けば聞き腹」
規行矩歩
(きこうくほ)
規則、規準に沿って行動する。転じて、古い規範にこだわって融通のきかないたとえ。
鬼哭啾啾
(きこくしゅうしゅう)
浮かばれぬ亡霊が恨めしさにしくしく泣き声をあげるさま。また、そのように鬼気迫るものすごい状況の形容。
旗鼓相当
(きこそうとう)
両軍が敵対して争うこと。また、対峙する勢力がつり合っているさま。実力伯仲。
旗鼓堂堂
(きこどうどう)
軍隊やパレードが整然として偉容に充ちたようす。
騎虎の勢い
(きこのいきおい)
激しい時流に巻き込まれ、途中では手を引くこともやめることもできないことのたとえ。「騎虎」は虎に乗ること。虎の背に乗って走り出したら、途中で降りると虎に食い殺されてしまうから降りられない。そのまま成り行きに任せるしか方法がないということ。
帰根到底
(きこんとうてい)
結局、つまるところという意味。
箕山の節
(きざんのせつ)
世俗から引退して、自分の節操、意志を守ること。
起死回生
(きしかいせい)
死に瀕したもの、滅びかかっているものを再び生き返らせること。もとに戻すこと。
樹静かならんと欲すれども風止まず
(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず)
⇒「風樹の嘆」
類語: 「孝行をしたい時分に親はなし」、「石に布団は着せられず」
旗幟鮮明
(きしせんめい)
旗の色が鮮やかなように、主義・主張・態度などがはっきりしているようす。
貴耳賤目
(きじせんもく)
古いことを高く評価し、現実を軽んじること。遠くのことを有り難がり、近くのことは軽蔑するたとえ。耳で聞いたことは尊重するが、実際に目に見える身近なものを軽く見る。人に聞いたことはよく思える。
雉の隠れ
(きじのかくれ)
⇒「頭隠して尻隠さず」
疑事無功
(ぎじむこう)
疑いは失敗のもと。疑心を抱いて事を行っては決して成功しないし、名を上げることもできないということ。
鬼子母神
(きしもじん)
仏教でいう女神のひとつ。安産や養育の願いをかなえるという信仰がある。「きしぼじん」とも読む。
雉も鳴かずば撃たれまい
(きじもなかずばうたれまい)
無用な発言が災いを招くことのたとえ。雉は一声鳴いたばかりに所在を悟られ、猟師に仕留められた。
類語: 「蛙は口から呑まれる」、「口は
貴珠賤蚌
(きしゅせんぼう)
貴重な真珠も、もとは汚い二枚貝(蚌)の中から出るということ。優れた人物や賢者は、貧賎の境遇から生まれ出るたとえ。
鬼出電入
(きしゅつでんにゅう)
鬼神のように瞬時に出没し、稲妻のように素早く侵入する。また、その出没の予測しがたいこと。
起承転結
(きしょうてんけつ)
「起」で始まり「承」で受け、「転」で変化を出し「結」で終結させる構成方法。広く一般の事柄の展開にも比喩的に用いられる。
喜色満面
(きしょくまんめん)
顔中に喜びの表情が満ちるようす。うれしそうな表情を顔いっぱいに見せるようす。
疑心暗鬼
(ぎしんあんき)
⇒「疑心暗鬼を生ず」
疑心暗鬼を生ず
(ぎしんあんきをしょうず)
疑いの心が妄想をかきたて、さまざまな恐怖を呼び起こすということ。「暗鬼」は暗闇に潜む鬼。
同意語: 「疑えば目に鬼を見る」、「疑心暗鬼を作る」
類語: 「杯中の蛇影」、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」、「落ち武者は薄の穂にも怖ず」
鬼神敬遠
(きじんけいえん)
敬遠のフォアボールと同じ。尊敬はするけれど、あまり近寄らない、という心構え。転じて、敬うように見せかけ、実は嫌って寄せつけないこと。
杞人の憂
(きじんのゆう)
⇒「杞憂」
帰心矢の如し
(きしんやのごとし)
矢が勢いよく飛んで行くように、一刻も早く故郷や家へ帰りたい気持ちのたとえ。
欺世盗名
(ぎせいとうめい)
世間をだまして、名誉を手にすること。陰で悪いことをして名を挙げるたとえ。
巍然屹立
(ぎぜんきつりつ)
大きな山が高く
奇想天外
(きそうてんがい)
誰にも思いもよらないような奇抜なこと。また、そのようす。
箕帚の妾
(きそうのしょう)
掃き掃除をする下女のこと。人の妻となることの謙遜語。「箕帚」はチリ取りとほうきのこと。
気息奄奄
(きそくえんえん)
息が絶え絶えになり余命が幾ばくもないようす。今にも滅亡しそうである。
擬足投跡
(ぎそくとうせき)
人の足の踏み方になぞらえて、その足跡にわが足を投げ出す。一歩一歩先人の例に従うことで、我が身を慎むこと。先例を尊重するたとえ。
驥足を展ぶ
(きそくをのぶ)
優れた人物が非凡の才を十分に発揮すること。「驥」は一日に千里を走るという駿馬。その駿馬が足を十分にのばして駆けることから言う。
同意語: 「驥足を伸ばす」
来たる者は拒まず
(きたるものはこばまず)
やって来る者は断ることなく受け入れよう、すべて相手の自由に任せようではないかということ。『春秋・公羊伝』に「来たる者は拒むなかれ、去る者は追うなかれ」とあり、また『孟子・尽心下』に「往く者は追わず、来たる者は拒まず」とある。「去る者は追わず」に続けて言うことも多い。
吉日良辰
(きちじつりょうしん)
辰は星の宿。よい日柄ということ。大安吉日と同じ。
機杼一家
(きちょいっか)
文学や著作で、独自の構想や文章を編み出し、一家を成すことをいう。機杼は
吉光片羽
(きっこうへんう)
わずかに残る昔の文物。優れた遺品のたとえ。もともとは神話の中に出てくる神馬のわずかな毛のこと。
橘中の楽
(きっちゅうのらく)
将棋や囲碁の楽しみをいう。橘の実の中でふたりの老人が向い合って将棋を指し、いかにも楽しそうであったという昔話から。
木で鼻をくくる
(きではなをくくる)
冷淡にあしらうことのたとえ。また、無愛想な態度で応じることのたとえ。「くくる」は、こするという意味の「こくる」が変化したもの。鼻で木をこすっても、しっくりこないことから。
同意語: 「木で鼻」、「木で鼻をかむ」、「木で鼻をこくる」
喜怒哀楽
(きどあいらく)
喜び・怒り・哀しみ・楽しみなど、人間の持っている様々な感情。
木に竹を接ぐ
(きにたけをつぐ)
不調和で、釣り合いのとれないこと。また、筋道の通らないこと。木に、性質が異なる竹を接いでもなじまないことから言う。
同意語: 「木に竹」、「木に竹を接いだよう」、「木に竹を接ぐが如し」
木に餅がなる
(きにもちがなる)
ありえないこと、話がうますぎることのたとえ。
木に縁りて魚を求む
(きによりてうおをもとむ)
方法を誤れば目的を達成することができないということ。また、見当違いな望みを抱くこと。
類語: 「水を煮て氷を作る」、「水中に火を求む」、「天を指して魚を射る」
機に因りて法を説け
(きによりてほうをとけ)
聞き手に応じて適切な説法をせよということ。転じて、臨機応変に対応せよということ。「機」は
類語: 「人を見て法を説け」、「対機説法」
昨日の襤褸今日の錦
(きのうのつづれきょうのにしき)
昨日ボロを着ていた人が、今日は綺麗な着物を身につけている。人の運命は変わりやすく、人生の浮き沈みが激しいたとえ。「
類語: 「昨日の襤褸今日の錦」
昨日の友は今日の敵
(きのうのともはきょうのてき)
昨日までは親しかった友が今日は敵となって立ち向かってくるように、人の去就・離合は定まらないものだということ。
同意語: 「昨日の情けは今日の仇」、「昨日の友は今日の仇」
昨日の淵は今日の瀬
(きのうのふちはきょうのせ)
⇒「飛鳥川の淵瀬」
昨日は昨日今日は今日
(きのうはきのうきょうはきょう)
昨日と今日は違う。昨日あったことが今日もあると思うのは間違いだということ。
類語: 「昔は昔今は今」
昨日は人の身明日は我が身
(きのうはひとのみあすはわがみ)
他人の不幸だと思っている事柄が、いつ我が身に降りかかってくるか分からないということ。災難は予測できない。よそ事だとは思わずに、他人の不幸を自らの戒めとせよという意味合いで使う。
同意語: 「今日は人の身明日は我が身」、「昨日は人の身今日は我が身」
木の股から生まれる
(きのまたからうまれる)
人情を解しない朴念仁をからかって言う。
類語: 「
木の実は本へ
(きのみはもとへ)
木の枝になった実はその木の根元に落ちる。物事はすべて起こってきた大本へ返るということ。
同意語: 「木の実は本へ落つる」、「木の実は木の本」
気は心
(きはこころ)
(1)たとえ量はわずかでも、真心の一端を表すものであるということ。
(2)ちょっとでも気がすめば、心が落ち着くということ。
驥尾に付す
(きびにふす)
優れた
同意語: 「驥尾に託す」、「驥尾に付く」
木仏金仏石仏
(きぶつかなぶついしぼとけ)
人情の分からない人や融通のきかない人をあざけって言う語。心の冷たい人を、温もりのない仏像に見立てて言う。
類語: 「石部金吉」、「木の股から生まれる」
季布の一諾
(きふのいちだく)
確実に信頼出来る承諾のこと。
類語: 「一諾千金」
君君たらずとも臣臣たらざるべからず
(きみきみたらずともしんしんたらざるべからず)
君主に君主としての徳がなくても、臣下は臣下としての忠節を尽くさなくてはならないということ。
君辱めらるれば臣死す
(きみはずかしめらるればしんしす)
主君が辱めを受けたなら、臣たる者は身命をなげうってその恥をすすがなくてはならないということ。
同意語: 「君辱臣死」
帰命頂礼
(きみょうちょうらい)
仏に対して心から帰依すること。神仏に対しての唱え文句としても用いられる。
喜名多怨
(きめいたえん)
名誉を喜び、地位を欲しがる人は、人から恨みを受け易い。名を喜ぶものは必ず怨み多し。
鬼面人を嚇す
(きめんひとをおどす)
見せかけの威勢で人をおどすこと。「鬼面」は鬼の顔をかたどった仮面。面を取り去れば恐ろしくも何ともないことから、実質の伴わない
同意語: 「鬼の面で小児を嚇す」、「鬼面
類語: 「鬼面人を驚かす」
亀毛兎角
(きもうとかく)
亀に毛がなく、兎につのがないように、実在しない物事のたとえ。
木もと竹うら
(きもとたけうら)
木は根元から、竹は先の方から割ると容易に割れる。物事にはやり易い方法や順序があるというたとえ。「うら」は「末」で先の部分のこと。
肝に染みる
(きもにしみる)
心に深く感じ入る。
肝に銘ずる
(きもにめいずる)
忘れないように心に刻み込む。
肝を煎る
(きもをいる)
気持ちをいらだたせる。
肝を落とす
(きもをおとす)
がっかりする
肝を抜かれる
(きもをぬかれる)
非常にびっくりさせられる。
記問の学
(きもんのがく)
応用のきかない記憶だけの知識、学問。古典の文句をただ棒暗記しているだけで、深く理解してうまく活用することができない学問のたとえ。
脚踏実地
(きゃくとうじっち)
足が地に付いて、着実に進む。危なげがなく、しっかりしているさま。仕事ぶりが堅実で真面目なこと。
客と剃刀は立つのがよい
(きゃくとかみそりはたつのがよい)
剃刀の刃は立つのがよいし、客は長居をしないで早々に座を立つのがよい。刃物の切れ味がよいという意の「刃が立つ」を、「客が立つ」にかけて言う。
類語: 「客と
客の早起き
(きゃくのはやおき)
泊まり客は、主人が対応に困らないようにゆっくりと起きるのがよいということ。
同意語: 「客の朝起き宿の迷惑」
脚下照顧
(きゃっかしょうこ)
自分の足元をよく照らして見直し、反省してみることが大切だということ。
杞憂
(きゆう)
あれこれと無用の心配をすること。取り越し苦労のこと。中国の杞の国の人が、天地が崩れ落ちたらどうしようとしきりに憂えたという、『烈子・天瑞』の故事に基づく。
同意語: 「杞人の
牛飲馬食
(ぎゅういんばしょく)
牛や馬のように、大いに飲み食らうこと。
窮猿奔林
(きゅうえんほんりん)
追い詰められた猿はどの木へでもよじ登って身の安全をはかるように、生活に窮した者は就職するに際して、地位や給料、仕事の内容など、とやかく言わないこと。
救火揚沸
(きゅうかようふつ)
火に油を注ぐこと。害悪をますますひどくするたとえ。目的と手段がちぐはくで、かえって逆効果になるたとえ。
牛換乗馬
(ぎゅうかんじょうば)
⇒「牛を馬に乗り換える」
救患分災
(きゅうかんぶんさい)
共同して災難を防ぎ、助け合うこと。
旧慣墨守
(きゅうかんぼくしゅ)
従来のやり方を踏襲し、しきたり通りにやっていくこと。守りの堅固なことを「墨守」という。
牛鬼蛇神
(ぎゅうきだじん)
牛の妖怪変化と、蛇の化け物。醜悪な形相、または悪党、無頼漢のたとえ。嫌われ者のこと。
九牛の一毛
(きゅうぎゅうのいちもう)
多数の中の極めて少ない部分のこと。多くの牛の毛の中の、たった一本の毛。その毛を抜いたところでどうということもないの意から。
急功近利
(きゅうこうきんり)
功を急いで目前の利益を求める。目先の利益を追って、はやく業績をあげようとすること。
泣斬馬謖
(きゅうざんばしょく)
大きな目的のためには、自分の愛する者も犠牲にするたとえ。法や規律の厳正を守るため私情を捨てること。
九死一生
(きゅうしいっしょう)
⇒「九死に一生を得る」
九死に一生を得る
(きゅうしにいっしょうをえる)
もう助からないと思われるほどの危険な状態から、かろうじて助かること。「九死」とは九分通りは死ぬかという土壇場。
同意語: 「九死一生」、「万死に一生を得る」
窮愁著書
(きゅうしゅうちょしょ)
志を得ず苦境に悩んでいる賢人が、書を著してその志を吐露すること。
牛溲馬勃
(ぎゅうしゅうばぼつ)
牛の小便と馬の糞。転じて、見るにたえないくだらないもの。
牛首を懸けて馬肉を売る
(ぎゅうしゅをかけてばにくをうる)
言うことと行うことが異なること。また、見せかけと内容が一致しないこと。牛の頭を店頭に掲げておきながら、馬の肉を売ることから。
同意語: 「牛頭馬肉」
類語: 「羊頭を掲げて狗肉を売る」、「羊頭を懸けて
牛耳を執る
(ぎゅうじをとる)
同盟の盟主となること。転じて、団体や党派などの実権を握って思うままに支配すること。「牛耳る」もここから出た言葉。中国の春秋戦国時代、諸侯が同盟を結んだ際、その同盟の中心となる人物がいけにえの牛の耳を執って切り、皆でその血をすすって誓い合ったことから。
九仞の功を一簣に欠く
(きゅうじんのこうをいっきにかく)
事が今にも成就するというときになって、ちょっとした油断のために失敗すること。「一仞」は中国周代の七尺で、「九仞」は非常に高いこと。「簣」は土を運ぶ「もっこ」。やっと九仞の山ができ上がるというときになって、わずかもっこ一杯の土でも欠けば山はでき上がらない。
類語: 「磯際で船を破る」、「百日の説法屁一つ」
窮すれば通ず
(きゅうすればつうず)
行き詰ってぎりぎりのところに至れば、かえって活路が開かれるものだ。
同意語: 「必要は発明の母」
類語: 「陰極まりて陽生ず」、「必要は発明の母」
窮すれば濫ず
(きゅうすればらんす)
人間は、困った状態になると取り乱して悪いことでもやってしまうということ。
弓折矢尽
(きゅうせつしじん)
⇒「刀折れ矢尽きる」
窮鼠噛猫
(きゅうそこうびょう)
⇒「窮鼠猫を噛む」
窮鼠猫を噛む
(きゅうそねこをかむ)
絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱者といえども強敵を打ち破ることがあるということ。追い詰められて逃げ場を失った鼠は、ついには猫を噛むとされることから言う。
同意語: 「窮鼠噛猫」
旧態依然
(きゅうたいいぜん)
昔からの状態、体制が古いままで少しも変化・進歩のないさま。
旧調重弾
(きゅうちょうじゅうだん)
古い調子を再び奏でること。相変わらずの話を繰り返す、陳腐な理論や主張を蒸し返すたとえ。
九腸寸断
(きゅうちょうすんだん)
非常に心配して憂い悶えること。腸が九回も回転してねじれ、寸断されるようなさま。
窮鳥入懐
(きゅうちょうにゅうかい)
⇒「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
(きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず)
追い詰められ、逃げ場を失った者が助けを求めてくれば、どんな理由があれ、見殺しにするわけにはいかないということ。「窮鳥」は逃げ場をなくした鳥。
同意語: 「窮鳥懐に入れば猟師も撃たず」、「窮鳥入懐」
九鼎大呂
(きゅうていたいりょ)
貴重なもの、重い地位、名望などのたとえ。
旧敵宿怨
(きゅうてきしゅくえん)
以前からの敵に対する積もり積もった恨み、怨念。
急転直下
(きゅうてんちょっか)
事態・情勢が急に変わって物事の解決、決着がつく、またはそのような方向へ向かうこと。
牛頭馬肉
(ぎゅうとうばにく)
⇒「牛首を懸けて馬肉を売る」
朽木は雕るべからず
(きゅうぼくはえるべからず)
やる気のない怠け者には教えようにも教えようがないということ。
類語: 「朽ち木は柱にならぬ」、「糞土の
朽木糞土
(きゅうぼくふんど)
精神の腐ったものはどうしようもない。また、やる気のない者のたとえ。朽木には彫刻ができず、糞土では
窮余一策
(きゅうよいっさく)
困りきったあげくの果てに思い付いたひとつの手段・計略。
汲流知源
(きゅうりゅうちげん)
結果から原因を推定すること。下流の水から川の源の状況を知る。
急流勇退
(きゅうりゅうゆうたい)
船が急流の中で素早く回転し退くさま。転じて、官職の華やかなうちに身を引くこと。仕事も地位も隆盛な時に、いさぎよく後進に道を譲ることのたとえ。
笈を負う
(きゅうをおう)
故郷を出て遊学すること。「笈」は書物などを入れて背負う箱。
挙案斉眉
(きょあんせいび)
妻が小さなお膳をうやうやしく眉のあたりまで高くささげる。転じて夫婦間によく礼儀が行われているたとえ。
教学相長
(きょうがくあいちょうず)
教えたり学んだりして知徳を助長発展させる。人を教えることは自分の修行にもなる。
類語: 「教うるは学ぶの半ば」
矯角殺牛
(きょうかくさつぎゅう)
牛の角を安全のために斧で矯正しようとして、ついに牛を殺してしまうこと。枝葉末節のことにこだわり、それを直そうとして全体を台無しにし、元も子もなくしてしまうこと。
鏡花水月
(きょうかすいげつ)
鏡に映った花、水に映る月。美しいが、ただ見るだけで捉えることができない。実体がなく、掴みどころのないもののたとえ。幻影。また、芸術作品の理屈を越えた情趣の高尚さをいう。
強幹弱枝
(きょうかんじゃくし)
樹木の手入れは、根幹を充分に保護して強め、枝は適度に剪定する。転じて、地方の権限を規制して中央の権力を強化すること。
強顔女子
(きょうがんじょし)
つらの皮が厚い、恥を知らない女をいう。強顔は厚顔と同意、鉄面皮のこと。
澆季の世
(ぎょうきのよ)
人情が薄く、風俗の乱れた末世のたとえ。「澆」はうすい、「季」はすえ、終わりの意。
胸襟担白
(きょうきんたんぱく)
気持ちが率直で、あっさりしていること。態度に表裏がないようす。
薑桂の性
(きょうけいのせい)
年老いても変わらない激しい気性のたとえ。「薑桂」は、しょうがと
狂言綺語
(きょうげんきご)
道理に合わない言葉と表面だけを飾った言葉。転じて、小説や物語の類いをいやしめて言う語。
峡山超海
(きょうざんちょうかい)
山を小脇に抱えて海を飛び越える。とてもできることではないが、不可能に挑戦する気迫の意もある。
凝思寂聴
(ぎょうしじゃくちょう)
ひっそりとした孤独の境地にあって、自然と静かに観照しあいながら、沈思黙考する心境。
驕奢淫逸
(きょうしゃいんいつ)
行住坐臥
(ぎょうじゅうざが)
行き来、起き臥しなど、日常のふるまいすべて。四六時中念仏を忘れないように、というとき用いられる。
同意語: 「常住坐臥」
拱手傍観
(きょうしゅぼうかん)
手をこまねいて何もせず、はたから見ているだけ。一般的に、何とかしなければいけないのに、何もしない場合に使う。
挟書の禁
(きょうしょのきん)
蔵書禁止の命令。秦の始皇帝が、学識者の口をふさぐため、焚書坑儒とともに断行した政策。漢の恵帝の四年に至ってようやく解禁になったという。
仰人鼻息
(ぎょうじんびそく)
⇒「人の鼻息を仰ぐ」
矯生慣養
(きょうせいかんよう)
甘やかされて育つこと。過保護な育て方。「矯」はなよなよとして可愛らしい、「慣養」は養い慣らすこと。
兄弟は後生までの契り
(きょうだいはごしょうまでのちぎり)
兄弟の縁は来世まで続く。
反意語: 「兄弟は他人の始まり」
兄弟は他人の始まり
(きょうだいはたにんのはじまり)
血を分けた兄弟といえども、成長して別々の道を歩むようになれば情愛も薄れ、他人のようによそよそしくなるということ。
反意語: 「兄弟は後生までの契り」
凶多吉少
(きょうたきっしょう)
悪いことが多く、よいことが少ない。事の先行きが思わしくない、見通しの暗いこと。
驚天動地
(きょうてんどうち)
天地を揺り動かす。また、大いに世間を驚かすたとえ。
今日なし得ることは明日に延ばすな
(きょうなしうることはあすにのばすな)
今できることは、後回しにしないですぐにするのがよいということ。“Never put off till tomorrow what you can do today.”の訳語から出た。
同意語: 「今日の仕事を明日に延ばすな」
類語: 「今日の一針明日の十針」、「明日ありと思う心の仇桜」
京に田舎あり
(きょうにいなかあり)
賑やかな都といえども、開かれないままの田舎めいた所がある。京都系いろはがるたの最後の句。江戸系のいろはがるたでは「京の夢大阪の夢」となる。
京の着倒れ大阪の食い倒れ
(きょうのきだおれおおさかのくいだおれ)
京都の人は着道楽で家産を傾け、大阪の人は食い道楽で家産を傾けるということ。京都の人は服飾に贅を尽くし、大阪の人は飲食におごる傾向があり、それぞれ京の
同意語: 「京は着て果て大阪は食って果てる」、「大阪の食い倒れ」
今日の一針明日の十針
(きょうのひとはりあすのとはり)
何事も処置が遅れれば遅れるほど、手間がかかるようになるということ。ほころびを繕う一針を怠ると、明日はほころびが広がって、十針も縫わなければならなくなる。
類語: 「今日なし得ることは明日に延ばすな」、「早めの一針は九針の手間を省く」
今日は人の身明日は我が身
(きょうはひとのみあすはわがみ)
⇒「昨日は人の身明日は我が身」
器用貧乏
(きようびんぼう)
なまじ器用だと人に重宝がられて使われたり、一つのことに打ち込めなかったりで、なかなか大成できないということ。
同意語: 「器用貧乏
類語: 「多芸は無芸」
驕兵必敗
(きょうへいひっぱい)
勝ち誇り、おごりたかぶった軍隊は、必ず負けるということ。
向壁虚構
(きょうへききょこう)
虚構の作品や、偽造のもののたとえ。直訳すると、壁に向かって沈思黙考し、心の中で現実にないことを構想すること。
喬木は風に折らる
(きょうぼくはかぜにおらる)
高く伸びた木は、風当たりが強いので風害に遭って折れやすい。人も地位が高くなると他人から批判や攻撃されることが多く、災厄を受けやすいというたとえ。
同意語: 「高木は風に折らる」、「大木は風に折らる」
類語: 「高木は風に倒る」、「出る杭は打たれる」
興味索然
(きょうみさくぜん)
興味が失われていくさま。物足りなくて面白みがない。.
狂爛を既倒に廻らす
(きょうらんをきとうにめぐらす)
大きく傾いた形勢を、もとの状態に回復する。唐の
協力同心
(きょうりょくどうしん)
力と心を合わせ、一緒になって目的達成のために努力すること。組織やグループが能力と意欲を結集するさま。
虚往実帰
(きょおうじっき)
知識のないものが勉強しに行って、学識を高めて帰ること。虚にして行き、実にして帰る。
拒諌飾非
(きょかんしょくひ)
いさめの言葉や忠告を受け入れずに、自分の過ちを取り繕うこと。
虚虚実実
(きょきょじつじつ)
互いに策略を尽くし、相手のすきをねらって必死で戦うさま。
曲意逢迎
(きょくいほうげい)
意志を曲げてまで、相手の気に入ろうとすること。
類語: 「
曲学阿世
(きょくがくあせい)
真理を曲げた言説を唱え、世俗にへつらい、人気を得ようとすること。「曲学」は真理に背いた学問の意。『史記・儒林伝』にあることば。
同意語: 「学を曲げて世に
曲肱の楽
(きょくこうのらく)
清貧の生活にも、精神的な楽しみがあるということ。「曲肱」は
曲高和寡
(きょくこうわか)
高尚な音楽は、和する者が少ない。言葉や文章が難しすぎて、理解できる人が少ないこと。
旭日昇天
(きょくじつしょうてん)
朝日が天空に昇ること。また勢いが盛んなようすのたとえ。
同意語: 「旭日昇天の勢い」
旭日昇天の勢い
(きょくじつしょうてんのいきおい)
朝日が天に昇るように、勢いが盛んなこと。
同意語: 「旭日昇天」
玉石混淆
(ぎょくせきこんこう)
優れたものとつまらないものとが入り混じり、区別がつかないこと。「混」も「淆」も入り混じるの意。貴重な玉も何の価値もない石ころも一緒くたであるの意から言う。「玉」は賢者の、「石」は愚者のたとえにも使う。
玉石同砕
(ぎょくせきどうさい)
善人も悪人も、賢者も愚者も共に滅びること。
局天蹐地
(きょくてんせきち)
恐れて、びくびくするたとえ。「局」はうずくまる、身体を縮めること。「蹐」は音を立てないように抜き足で歩くこと。
魚懸甘餌
(ぎょけいかんじ)
目先の欲に迷うと失敗する。警戒心の強い魚も、おいしいエサをつけられると、たやすく釣り上げられてしまう。人間も甘い誘いには注意しないと、身の破滅に繋がるということ。
虚室生白
(きょしつしょうはく)
がらんとした部屋には、日光が射し込んで、自然に明るくなる。人間も心をからにして何ものにもとらわれずにいれば、おのずと真理、真相がわかってくるという思想。
御史の雨
(ぎょしのあめ)
喜びの雨、恵みの雨のこと。
虚心坦懐
(きょしんたんかい)
心にわだかまりを持たず、素直でさっぱりした気持ち。無心で平静な心境。
挙措失当
(きょそしっとう)
対応ぶりが当を得ていない。不適切な措置をすること。「挙措」はあげたりおいたりする立ち居振る舞いのこと。
挙措進退
(きょそしんたい)
日常のちょっとした動作。立ち居振る舞い。
虚張声勢
(きょちょうせいせい)
虚勢を張って大言壮語するさま。大声でものを言ったりして、空威張りすること。
居は気を移す
(きょはきをうつす)
居場所は人の気持ちを変化させる。地位や環境によって、人の考えや人柄が変わるということ。
漁夫の利
(ぎょふのり)
両者が争ううちに、第三者が労せずして利益を占めること。「漁夫」は漁師。
同意語: 「鷸蚌の争い」
類語: 「犬兎の争い」、「二匹の犬が骨の取りっこ、三匹目の犬がそれを横取り」
毀誉褒貶
(きよほうへん)
ほめるとそしると。人をほめたり悪口を言ったりすること。
清水の舞台から飛び降りる
(きよみずのぶたいからとびおりる)
思いきって大決断をする。京都の音羽山
同意語: 「清水の舞台から後ろ飛び」
魚網鴻離
(ぎょもうこうり)
魚を取る網に大きい鳥がかかる。求めているものが得られず、別のものが得られることのたとえ。
魚遊釜中
(ぎょゆうふちゅう)
⇒「
桐壷源氏
(きりつぼげんじ)
飽き易くて勉強が長続きしないこと。また中途半端な読書のたとえ。「桐壷」は源氏物語の五十四帖の中の第一帖。源氏物語を読み始めた者が「桐壷の巻」でやめてしまうことからきた言葉。
義理と褌は欠かされぬ
(ぎりとふんどしはかかされぬ)
男子たる者、決して義理を欠いてはならないということ。「褌をかく(褌を締める)」と「義理を欠く」をかけて、男に褌が欠かせないのと同じように、男子たる者は常に処世の義理を欠いてはならないとして、義理の大切さを教える。
桐一葉
(きりひとは)
⇒「一葉落ちて天下の秋を知る」
機略縦横
(きりゃくじゅうおう)
臨機応変の計略が自在に考案・運用できること。
棄糧沈船
(きりょうちんせん)
決死の覚悟で戦うこと。
木六竹八塀十郎
(きろくたけはちへいじゅうろう)
木なら六月に、竹なら八月に切るのがよく、土塀を塗るなら十月がよいということ。それぞれの仕事には適期があることを人名めかして言う。
議論百出
(ぎろんひゃくしゅつ)
さまざまに議論が戦わされること。多くの意見が出ること。
義を見てせざるは勇無きなり
(ぎをみてせざるはゆうなきなり)
人として当然行うべき正義と知りながら、それを実行しないのは勇気がないからである。『論語・為政』にあることば。
木を見て森を見ず
(きをみてもりをみず)
細部にばかり目を向け、一向に全体を見ようとしないこと。英語でも文字通り、“You cannot see the wood for the trees.”と言う。
類語: 「菜園作りの野良荒らし」、「毛を
錦衣玉食
(きんいぎょくしょく)
錦の服、ぜいたくな食事。また、富貴の身分、境遇をいう。
金屋貯嬌
(きんおくちょきょう)
美人を立派な家に住まわせて、寵愛すること。
槿花一日の栄
(きんかいちじつのえい)
人の世の栄華がはかないことのたとえ。唐の白楽天の『放言五首』に「松樹千年
同意語: 「槿花一朝」、「槿花一朝の夢」
類語: 「朝顔の花一時」
槿花一朝
(きんかいっちょう)
⇒「槿花一日の栄」
金科玉条
(きんかぎょくじょう)
金や玉のように尊い大事な法律、規則。ぜひとも守るべき大切な法律、きまり、よりどころ。
巾幗の贈
(きんかくのそう)
男子たる志のないのを辱めるたとえ。女が身につけるものを贈り、相手の男のいくじがないことをあざけること。「巾幗」は婦人の髪を覆う飾り。
琴棋詩酒
(きんきししゅ)
琴を弾き、碁を打ち、詩をつくり、酒を酌み交わす。風流人のたしなみ、楽しみをいう。
欣喜雀躍
(きんきじゃくやく)
雀が飛び跳ねるように非常に喜ぶこと。小躍りして喜ぶ。有頂天になること。
金玉良言
(きんぎょくりょうげん)
金や宝玉のように貴重な言葉。金言名言。また、その人にとっては尊い忠告、忠言をいう。
謹厳実直
(きんげんじっちょく)
慎み深く、誠実・正直なさま。まじめな人間のようす。
謹言慎行
(きんげんしんこう)
言動を特別慎重にすること。「謹」はつつしむ、こまやかに気を配る。「慎」はつつしむ、念を入れる意。
金言耳に逆らう
(きんげんみみにさからう)
⇒「忠言耳に逆らう」
勤倹力行
(きんけんりっこう)
仕事・事業に励み、倹約し努力して物事を行うこと。
金口木舌
(きんこうぼくぜつ)
優れた言論・出版などを通じ、社会を教え導く人のたとえ。
金谷酒数
(きんこくしゅすう)
詩の出来上がらない者に対する罰杯の数。また、罰として三杯の酒を飲ませること。
金鼓斉鳴
(きんこせいめい)
どらと太鼓が一斉に鳴り響く。戦闘が最高潮に達するたとえ。
緊褌一番
(きんこんいちばん)
気持ちを引き締め、覚悟を決めてとりかかること。大勝負の前の心構え。
禽困覆車
(きんこんふくしゃ)
捕まえられた鳥獣さえも、追い詰められて苦しむと、車をひっくり返すほどの力を出す。弱い者でも死にものぐるいになると、とてつもない力を出すこと。
金枝玉葉
(きんしぎょくよう)
枝、葉は子孫の意。天子の子孫、皇族。高貴の身分。貴族。
琴瑟相和す
(きんしつあいわす)
夫婦相和して、仲むつまじいことのたとえ。『詩経・小雅』にあることば。「琴」は五弦または七弦の小さな「こと」、「瑟」は十五弦以上の大きな「こと」。代償の「こと」の音が一つとなって見事なハーモニーをかもしだす。
同意語: 「琴瑟の楽しみ」、「琴瑟の和」、「琴瑟相和」、「和すること琴瑟の如し」
琴瑟相和
(きんしつそうわ)
⇒「琴瑟
禽獣夷狄
(きんじゅういてき)
鳥と獣と野蛮人。恩義や道理を知らぬ人々を罵っていう言葉。犬畜生といった感じ。「夷狄」は中国からみた異民族の地域。
近朱必赤
(きんしゅひっせき)
交際相手によって、人は感化される。悪に近付けば必ず悪くなるという戒めの言葉。
同意語: 「朱に交われば赤くなる」
謹少慎微
(きんしょうしんび)
きわめて慎重なさま。小心翼々として、石橋をたたいても渡らないようなたとえ。
錦上添花
(きんじょうてんか)
⇒「錦上花を添える」
金城湯池
(きんじょうとうち)
防備の堅固な城壁と、熱湯の沸きたぎる濠。他から侵略されない極めて堅固な備えをいう。
錦上花を添える
(きんじょうはなをそえる)
美しいものの上に、さらに美しいものを添える。立派なものに、さらに立派なものを加える。華やかな錦の上に、重ねてまた美しい花を置くの意から。
同意語: 「錦上に花を添える」、「錦上に花を敷く」、「錦上添花」
近所合壁
(きんじょがっぺき)
壁ひとつ隔てて隣り合っている家。近所の家。
錦心繍口
(きんしんしゅうこう)
美しい心情と美しい言葉。詩や文章に才能を発揮する人。
金声玉振
(きんせいぎょくしん)
才知と人徳とが見事に調和していること。素晴らしい人格に大成することのたとえ。
金石の交わり
(きんせきのまじわり)
堅く結ばれた友情のこと。金属も岩石も堅く、容易には割れないことから言う。
同意語: 「金石の契り」、「金石の交」
類語: 「管鮑の交わり」、「金蘭の契り」、「刎頸の交わり」
金殿玉楼
(きんでんぎょくろう)
黄金や宝石で飾った美しくきらびやかな御殿。豪華な建物。
金時の火事見舞い
(きんときのかじみまい)
顔が真っ赤なさまをいう。それでなくても赤ら顔の金時が火事見舞いにやってきて、いっそう顔を火照らせているというのである。金時は
同意語: 「金時の醤油
錦標奪帰
(きんぴょうだっき)
科挙(上級官僚登用試験)に主席で合格した者。「錦標」は優秀旗の意。
吟風弄月
(ぎんぷうろうげつ)
詩を吟ずることのたとえ。詩人の吟詠には、風月を詠じた作品が多いので、詩を吟ずるたとえとなった。
勤勉は成功の母
(きんべんはせいこうのはは)
人生に成功しようとするなら、ひたすら勤勉であれということ。英語の、“Diligence is the mother of success.(Industry is the parent of succes.)”の訳語から。
金榜題名
(きんぼうだいめい)
科挙(上級官僚登用試験)の最終試験に合格すること。「金榜」は、その合格者の名前が載る掲示板。転じて、難しい試験に合格するたとえ。
謹毛失貌
(きんもうしつぼう)
枝葉末節にこだわって、根本を忘れること。絵を描く時、一本一本の毛までていねいに描いたのに、肝心の顔の形が似ていないこと。
金蘭の契り
(きんらんのちぎり)
堅く結ばれた、美しい友情のこと。金よりも堅く、蘭の花よりもかぐわしい交際の意。
同意語: 「金蘭の交わり」、「金蘭の友」
類語: 「管鮑の交わり」、「金石の交わり」、「刎頸の交わり」