唯我独尊
(ゆいがどくそん)

 この世に自分より優れた者はいないという意。自分が一番偉いと思っている態度をいう。

同意語: 「天上天下唯我独尊

唯一無二
(ゆいつむに)

 ただそれ一つだけで二つとないこと。他にない貴重なものであること。

勇往邁進
(ゆうおうまいしん)

 困難をものともしないで、ひたすら突き進むこと。

憂患に生き安楽に死す
(ゆうかんにいきあんらくにしす)

 心配や悩みがある者は自らを戒め、その生命を全うすることができるが、安楽になるとつい心がゆるみ、思わぬ死を招きやすいということ。『孟子・告子下』にあることば。孟子もうしは国の場合も同様で、内に君主をいさめながら補佐する臣もなく、外に敵対するような国もなくなると、国家は安逸に流れて滅びると説く。

有脚書厨
(ゆうきゃくしょちゅう)

 脚のある書斎。転じて、博学多識の人をいう。

雄材大略
(ゆうさいたいりゃく)

 雄々しい才能と遠大な計画。大きな事業を推進するのにふさわしい才能をいう。

勇者は懼れず
(ゆうしゃはおそれず)

 ⇒「知者は惑わず仁者は憂えず勇者は懼れず

有終の美を飾る
(ゆうしゅうのびをかざる)

 締めくくりがきれいなこと。最後までやり抜いて成果をあげ、終わりを立派に締めくくることを言う。「有終」は終わりをまっとうすること。

優柔不断
(ゆうじゅうふだん)

 ぐずぐずしていて決断の遅いこと。決断力に乏しいこと。

勇将の下に弱卒無し
(ゆうしょうのもとにじゃくそつなし)

 上に立つ者が優れていれば、その部下もまたすぐれているということ。指導者の勇気と人間性が部下を育てる。

同意語: 「強将きょうしょうの下に弱卒じゃくそつなし」

優勝劣敗
(ゆうしょうれっぱい)

 能力のまさっているものが勝ち、劣るものが負ける。強者、適格者が栄えていくこと。

融通無碍
(ゆうずうむげ)

 滞りのないこと。考え方や行動に差別やこだわりのないさまをいう。

夕立は馬の背を分ける
(ゆうだちはうまのせをわける)

 夕立は局地的に降るものだということ。

同意語: 「夏の雨は馬の背を分ける」

雄弁は銀沈黙は金
(ゆうべんはぎんちんもくはきん)

 ⇒「沈黙は金雄弁は銀

幽明境を異にする
(ゆうめいさかいをことにする)

 死に別れて冥土に行く。「幽明」は、幽界(死後の世界)と明界(現実の世界)。その境界を越えた者とは再び現世で出会うことはないことから言う。

同意語: 「幽明あいへだつ」

夕焼けに鎌を研げ
(ゆうやけにかまをとげ)

 夕焼けは明日は天気だと告げているのだから、鎌を研いで草刈りや稲刈りの準備をせよということ。「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」というのが、昔の天気予報の定説だった。

同意語: 「秋の夕焼けは鎌を研いで待て」

悠悠緩緩
(ゆうゆうかんかん)

 のんきでゆったりとしているさま。のんびりしていること。

悠悠自適
(ゆうゆうじてき)

 俗世間を退いて、のんびりと日々を過ごすこと。定年退職後の生活などをいう。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
(ゆうれいのしょうたいみたりかれおばな)

 薄気味悪く思ったものも、その正体を知れば怖くも何ともないということ。枯れたすすきの穂が「枯れ尾花」。疑心暗鬼の目には、風になびく枯れ尾花も恐ろしい幽霊と映る。横井也有やゆうの『俳家奇人談』に「一年松木淡々己れ高ぶり、人をあなどると伝へ聞き、初めて対面して化け物の正躰見たり枯れ尾花。の誠心なること大概この類なり」とある。

同意語: 「化け物の正体見たり枯れ尾花」
類語: 「疑心暗鬼を生ず」、「杯中の蛇影

幽霊の浜風
(ゆうれいのはまかぜ)

 幽霊が塩気たっぷりの浜風に吹きまくられたように、ぐったりとして元気がない様子。京都いろはがるたの一つ。

類語: 「青菜に塩

往き大名の帰り乞食
(ゆきだいみょうのかえりこじき)

 最初に無計画に金を使ったために、後で動きがとれなくなってしまうこと。宿場宿場で豪遊しながら京に上り、路銀を使い果たした帰路は飲まず食わずというのが、宵越しの銭は使わぬと豪語する江戸っ子の旅だったらしい。なかには江戸を出立したその日から品川の宿に流連りゅうれん(遊び続けること)、付け馬(借金取り)を連れて戻ってきたという例もある。

雪に白鷺
(ゆきにしらざき)

 どちらも白くて区別がつかないこと。また、紛れ込んで目立たないこと。

同意語: 「闇夜のからす

雪は豊年の瑞
(ゆきはほうねんのしるし)

 大雪は、その年が豊作になる前兆だということ。「瑞」はきざし、前兆。

類語: 「大雪に飢渇けかちなし」

雪仏の水遊び
(ゆきぼとけのみずあそび)

 ⇒「土仏つちぼとけの水遊び

行くに径に由らず
(ゆくにこみちによらず)

 姑息こそくな手段はとらず、常に正々堂々と事を行うということ。いつも大通りを歩き、近道をたどったりはしないの意から。『論語・雍也』にある子游しゆうのことば。

油断大敵
(ゆだんたいてき)

 油断すれば必ず失敗の元になるから、油断を非常に警戒しなくてはならない。

類語: 「蟻の穴から堤も崩れる

湯の辞儀は水になる
(ゆのじぎはみずになる)

 遠慮も辞退も時と場合によるということ。せっかく沸かした風呂も、お先にどうぞと譲り合っているうちに水になってしまう。湯を沸かす手間も燃料もばかにならなかった時代には、いまいましい遠慮だったに違いない。

夢は逆夢
(ゆめはさかゆめ)

 夢は事実とは反対になって現れるということ。悪夢を見たときの縁起直しに言うことば。家が火事になった夢を見たら、燃え盛ったのだからこれから身代が増えると慰める。

湯を沸かして水にする
(ゆをわかしてみずにする)

 せっかく湯を沸かしたのに、何にも使わず元の水に戻してしまう。せっかくの苦労や努力を無駄にしてしまうたとえ。

類語: 「骨折り損の草臥くたびれ儲け