夏の樹 上下巻 [ガイ・ゲイブリエル・ケイ]
 五人の大学生が現代、もしくは現代に近似した世界からの異邦人として魔法の存在する世界に行って云々といういわゆる異世界ファンタジー物。作者がトールキンのシリマリルの物語の編集に関わっていることもあってか、奥深い世界設定が感じられるのはいい感じだが、異世界物としての面白さはあまりない。しかし、五人がそれぞれ世界設定と絡んだ重要な役割をはたしていく様には、設定を語ることに終始する類小説とは違った面白さがあってわりとオススメかもしれない。
 まあなんつーか、個人的には感銘を受けるほどではないが普通に面白い小説、ぐらいの評価なんですが、これ、完結してないのよね。ネット知人に薦められて、上下巻だから当然これで終わってるもんだろうと思って読んでたんですが、下巻のラスト近くになって、ある程度話が収束はしてきたものの、まだまだ終わる気配がなく、一体どうやって終わるんだろうとビクビクしていたら、話の途中でいきなり終わりました。フィオナヴァール・タペストリーという三部作の第一部だったようです。で、続きはというと、ちょっと調べたら未訳らしい。なんの嫌がらせだ。普通に面白いけど、かなーり「第二部に続く」という感じにぶった切られた終わり方なんで、続きが未訳となると薦めにくい。まあ古本屋の100円コーナなんかで見かけたら買ってもいいかとは思います。
コメント一覧
コメント投稿

名前

URL

メッセージ

- CafeLog -