GOGO! 内職商法
 仕事を終え、バスの待ち時間をコンビニ前で一服して過ごしていると、三十代後半くらいの生活に疲れた感じの女性がフラフラと歩いてきて、コンビニ前の公衆電話で話を始めた。灰皿のすぐ側なので何となく聞いていると、「かなり興味を持っており、そちらで仕事をしてみたい」「初期契約料はもう少し安くならないのか」「チラシは月に何枚くらい配ればいいのか」などといったセリフがポンポン飛び出した。一時期悪徳商法?マニアックスを読みふけっていた私にはピンときたのだが(読んでなくても普通はわかるとは思うが)、つまりこれは、内職商法に引っかかろうとしている現場だったのである。
 内職商法ってなんじゃらホイという人は、とりあえず内職商法の手口・内職商法とは?なんかが簡潔でわかりやすいと思うので見てみるとよろし。最近ではPC関係の内職商法が多いらしいが、このチラシ配りの内職商法というのは、知識も経験もいらないので、PCに抵抗感のあるカモを引っ掛けるのに都合がいいとかなんとか。初期費用を数十万(二十万から五十万くらい。大抵はローンを組む)払って登録すると、自分の登録番号入りの通販チラシが毎月数百枚程度送られてくるので、それを近所でもどこでもいいが郵便受けに入れまくり(新聞屋に頼んで折込チラシとして配っても良い)、それを見た人が商品を購入すれば、いくらかのマージンが得られるというシステムであるらしい。稀に、受け持ち分のチラシを全部配るだけでいくばくかの報酬が得られる場合もあるようだ。まあチラシ配りのバイトなんてのもあるくらいだから、チラシを配って云々という部分に絞れば別におかしなこともないのやもしれないが、なんせ最初にクソ高い初期費用を取るというのが内職商法の特徴である。大体、扱っている商品にもよるだろうが、数百枚程度配ったところで大して売れるはずもあるまいし、そもそも売れた場合に本当にマージンが発生するのかどうか、業者にしかわからないのである。今月は一つも売れてませんよと言われればそれまでだ。ただ、クーリングオフ期間に解約されると困るので、最初のうちは全く売れていなくても売上があったということにしたりもするらしい。要するに、業者にしてみれば最初の数十万だけが目当てで、商品の売上なんぞはどうでもいいものなのだ。そして、クーリングオフ期間が過ぎても、内容が内容だけに解約となるとモメることが多いので、「売上が出ないのは配るチラシが少ないせいだ。もっとチラシを送るから、その分の費用を払ってくれ」などと言って数千円程度巻き上げて、その一部をマージンと偽って客に返してやったりするわけだ。
 とまあ、ネット上で情報を集めると詐欺以外の何者でもないのだが、そういった情報がなくとも、システム説明を聞いただけで怪しさ大爆発に思われるので、一体どんな人が引っかかるんだろうと思っていたのだが、なるほど、生活にやや困っているか、もしくは空いた時間を使って気軽に仕事をしたいというような主婦がメインターゲットなのであろう。バス時間が迫ったので最後までは聞けなかったが、最後に聞いた会話の流れからすると、どうもそのまま契約してしまいそうな勢いであった。……もしかして、止めてあげればよかったのかしらん。でもなあ、いきなり「チラシ配りの内職商法なんぞに引っかかっちゃいけませんよ奥さんハァハァ!」なんて話しかけられたら、向こうもビックリするっつーか、こっちが不審者だっつーのよ。ただの勘違いで、内職商法の話じゃなかったって可能性もあるしね(いや、正直それはまずないと思うけども)。ともあれ、何とか思い直して契約せずに済むことを祈るのみである。皆もそんな馬鹿な話に引っかからないように注意じゃぜ?
2004.08.27 01:00 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 日記 | com.gif コメント (0)
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