生まれた時からどんぶりめし
 仙台には、「はんだや」という大衆食堂チェーン店(ふらんちゃいずとかいうの? 知らないけど)がある。全国展開を狙っているようで、最近ちょこちょこと各県に店舗が増えているようなので、もしかしたら知っている人もいるかもしれない。この店、私がよく利用していた店舗だけなのかもしれないが、肉体労働者がよく利用する小汚い店という印象が強かった。会計方式はかなりアバウトで、この店はそもそもずらっと並べてあるおかずをテキトーに取って食うタイプなのだが、食っている最中に店のおばちゃんが客の取ったおかずの皿(皿の大きさで値段が決まっている)を見て値段を算出し、伝票を置いていくのである。こういった方式であるから、おばちゃんが来たときに電子レンジを利用(ご飯と味噌汁以外は基本的に冷たいので、暖かいものが食いたければセルフサービスの電子レンジを使う)していたりすると、会計をごまかせたりもする。まあ会計の誤魔化しはともかく、個人的にはなかなか落ち着く店であった。しかしこの店、数年前に小奇麗に全面改装して「半田屋」と看板が変わってしまい、なんだか気乗りがせずに行っていなかったのだが、先日久々に足を運んで驚いた。一応噂には聞いていたのだが、内装もすっかり小奇麗になっていて、まるで普通の食堂のようである。さらにはまるでファミレスのように家族連れやら若者のグループだのがたむろしているではないか。こんなのは「はんだや」じゃあない。しかも会計が先払いになっている。いや、何も先払い自体が悪いとは言わないが、客をさばき切れておらず、レジに長蛇の列が出来ているのはまずかろう。サイトのFC募集のページには、「高い顧客回転率 平均滞在時間15分」などと書かれていたが、嘘であろう。なんせレジに並んでから会計を終えるまで十分はかかった。十分ですよ十分。料理を注文して席で待ってるわけじゃなく、トレーに食いたい料理を取って、会計をするためだけに並んで十分ですよ。まあご飯を盛る兄ちゃんがやたらともたくさしていたのでそのせいかもしれないが、レジの兄ちゃんも負けず劣らずもたくさしていたのでどっちみち同じだ。つーか待たせすぎなんだよコノヤロウ。もう二度と行かないな、多分。
 そういや、「はんだや」と言えばご飯の盛りの多さで有名なのだが、ご飯(大)は多すぎて食えやしねえから注文すんじゃねえぜべらんめい、という文言がなくなっていた。少なくとも目立つ位置にはなかった。しかし、さすがにと言うかやはりと言うか、ご飯の盛りの多さ自体は以前のままで、ご飯(ミニ)が小食な人が普通に食うご飯一杯分、ご飯(小)がやや大目なご飯一杯、そしてご飯(中)というのが実質的には一番量の多いものになるのだが、これがもう、山盛りのどんぶり飯なのだ。さすがに銀河鉄道999の天井にまで届くかというほどの盛りには及ばないが、普通に想像するどんぶり飯一杯のご飯より大幅に多いのは間違いない。その多さを堪能してみたい、という人は一度行ってみるのもよいだろう。店舗や時間帯によってはあんまり待たされないだろうし。ただし一つ言っておくが、味に期待してはいけない。量より質を求めるような人は……いや、そもそも大衆食堂にそこまで味を期待しないか。
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