三日坊主日記【酔生夢死】

　ふと目を醒ますと、ドドーンという音がして、アパートが揺れた。ああ、また屋根から雪が落ちて、それで揺れているのだな。私の住んでいるアパートでは、冬場には珍しくもないことだ。時計を見るとまだ昼前なので、もう少し惰眠を貪ろうと目を閉じる。ドドーン、グラグラグラ。ドドーン、グラグラグラ。いつになく激しく、しかも断続的に続く揺れに、これはもしや地震ではあるまいかと思ったが、それにしてはいつまで経ってもおさまる気配がない。まあ雨が降った所為で雪が溶け、それで落ちまくっているのだろうと、私はそのうち眠っていた。
　午後二時頃、私は起床して出かける準備をして外に出た。私の住んでいるアパートは元々工場の社員寮だったのを、今では学生アパート風にしている所で、アパートに隣接して工場が建っている。駐車場に向かう途中にその工場の前を通るのだが、一目見て驚いた。二棟ある工場のうち、一棟がボッコボコに壊されされているではないか。元工場の中央にはショベルカーがとまっていた。なるほど、あの音と揺れは、雪の落下でも地震でもなく、工場をぶち壊しているものだったのだ。さすがにそれには思いあたらなかった。まだまだ頭が固いなぁと思いつつ、学校に向かった次第である。