有為転変
(ういてんぺん)

 この世の現象は、とどまることなく激しく移り変わっていくものであるということ。「有為」は因縁によって生ずるすべての現象。

同意語: 「有為転変の世の習い」、「有為転変は世の習い」、「有為無常」
類語: 「移れば変わる世の習い」、「飛鳥川の淵瀬」、「浮世は回り持ち

有為転変の世の習い
(ういてんぺんのよのならい)

 ⇒「有為転変

飢えては食を択ばず
(うえてはしょくをえらばず)

 飢えている人は食べ物をえり好みをしないものだ。

同意語: 「飢えては糟糠そうこうを択ばず」、「腹の減った犬は糞でも食らう」
類語: 「ばらにまずい物なし」、「空腹は最高のソース

右往左往
(うおうさおう)

 右へ行ったり左へ行ったりするように、うろたえ、混乱する様子。

魚が水を離れたよう
(うおがみずをはなれたよう)

 唯一の頼りを失って途方に暮れる。

類語: 「陸に上がった河童
反意語: 「魚の水を得たるが如し

魚心あれば水心
(うおごころあればみずごころ)

 相手の出方次第ではこちらにも対応のしかたがあるということ。

同意語: 「水心あれば魚心」、「網心あれば魚心」

魚の水を得たるが如し
(うおのみずをえたるがごとし)

 ふさわしい環境を得て、おおいに活躍することのたとえ。

同意語: 「その所を得た魚のよう」、「魚の水を得たよう」、「水を得た魚のよう
反意語: 「魚が水を離れたよう

魚の目に水見えず人の目に空見えず
(うおのめにみずみえずひとのめにそらみえず)

 余りに身近なものは、大切なものであってもかえって気づかれにくいということ。水中の魚には水が見えず、人には空気が見えないの意から言う。

同意語: 「魚の目に水見えず人の目に風見えず」、「魚水中にあって水を知らず人塵中じんちゅうにあってちりを知らず」
類語: 「餓鬼の目に水見えず」、「青い鳥

魚を得て筌を忘る
(うおをえてうえをわする)

 いったん目的を達してしまうと、役に立ったものの恩恵も忘れてしまうということ。「筌」は魚を捕る竹製の道具。魚をとってしまえば魚捕りの道具の有り難さも忘れてしまう意から言う。

類語: 「喉元過ぎれば熱さを忘れる

うかうか三十きょろきょろ四十
(うかうかさんじゅうきょろきょろしじゅう)

 三十代ははっきりした目的もなくぼんやり過ごし、四十代になって慌てるの意で、一生を無為に過ごしやすいこと、老境のすぐに至ることのたとえ。

類語: 「光陰矢の如し」、「歳月人を待たず」、「少年老いやすく学成り難し」

雨過天晴
(うかてんせい)

 うっとうしい雨が止んで青空が広がる。悪い状況が好転するたとえ。

羽化登仙
(うかとうせん)

 羽が生えて天に昇っていくように、酒に酔って良い気持ちになること。

雨奇晴好
(うきせいこう)

 晴れても雨でも、どちらも素晴らしい景色で、趣があるという意。

同意語: 「晴好雨奇

浮世は回り持ち
(うきよはまわりもち)

 世の中の貧富・貴賎・幸不幸などは一定の人にとどまることなく、人から人へ受け継がれていくものだということ。

同意語: 「世は回り持ち」
類語: 「金は天下の回り物」、「有為転変」、「驕る平家は久しからず

鶯鳴かせたこともある
(うぐいすなかせたこともある)

 これでも昔は男たちからちやほやされたこともあったということ。若き日の自分を梅に、男たちを鶯に見立てて言う、老女の述懐。

有卦七年
(うけしちねん)

 幸運の年まわり。有卦に入ること。ついていて調子のいいたとえ。有卦に入れば吉が七年、無卦に入ると凶が五年続くという。

類語: 「有卦に入る

有卦に入る
(うけにいる)

 運が向いてよいことが続くことを言う。「有卦」は陰陽道で、七年間続くという幸運の年回り。人の運不運は有卦七年、無卦五年の十二年うぃを周期として巡ると言う。

類語: 「有卦七年

烏合の衆
(うごうのしゅう)

 集まって騒ぐだけで、規律も統一もない群衆のことを言う。カラスの群れに見立てて言うことば。

右顧左眄
(うこさべん)

 右か左か決めかねて迷うように、人の思惑などまわりのことばかり気にして決断をためらうこと。

雨後春筍
(うごしゅんじゅん)

 ひと雨降った後に沢山生え出るタケノコのように数が多いこと。事物が増えるのが速くて勢いが盛んなたとえ。

類語: 「雨後の竹の子

雨後の竹の子
(うごのたけのこ)

 同じような物事が次々に発生すること。

類語: 「雨後春筍

牛に引かれて善光寺参り
(うしにひかれてぜんこうじまいり)

 他人に誘われて知らぬうちに善い方へ導かれることのたとえ。

牛の歩みも千里
(うしのあゆみもせんり)

 怠らずに努力を続ければ成功することのたとえ。

牛の角を蜂が刺す
(うしのつのをはちがさす)

 牛の角を蜂が刺したとて、痛くもかゆくもないことから、何とも感じないことのたとえ。

類語: 「蛙の面に水

牛は牛連れ馬は馬連れ
(うしはうしづれうまはうまづれ)

 同類のもの、似たものどうしは集まりやすいものだということ。

同意語: 「牛は牛連れ」、「馬は馬連れ」、「馬は馬連れ鹿は鹿連れ」
類語: 「似た者夫婦」、「同気相求む」、「同類相求む」、「破れ鍋に綴じ蓋」、「類は友を呼ぶ」、「類を以て集まる

氏より育ち
(うじよりそだち)

 人間形成にとって大切なのは、家柄や身分ではなく、環境や教育、本人の努力だということ。京都いろはがるたの一つ。

後ろ髪を引かれる
(うしろがみをひかれる)

 思い切れず、心残りがすること。髪を後ろから引っ張られるような気持ち。

後ろ指を指される
(うしろゆびをさされる)

 人に後ろから指されて非難される。陰で悪口を言われること。

牛を馬に乗り換える
(うしをうまにのりかえる)

 不都合、不利な方から、好都合、有利な方に切り換えること。足の遅い牛から速い馬に乗り換える意。

同意語: 「牛換乗馬」
類語: 「牛売って馬を買う」
反意語: 「馬を牛に乗り換える

牛を食らうの気
(うしをくらうのき)

 虎や豹の子は、まだ毛の模様がはっきりしない幼獣のころから、牛を食おうとするほどの気概がある。幼いころから優れた気性を備えている者のたとえ。

有相執著
(うそうしゅうじゃく)

 形ある現象の姿にとらわれる心。それらが一切皆空であることを悟らないで執着心を起こすこと。

有象無象
(うぞうむぞう)

 たくさん集まったくだらないもの。仏教で言う、宇宙にある有形無形のすべてのもの(森羅万象)の意から転じた。「象」は形の意。

嘘から出た実
(うそからでたまこと)

 嘘で言ったことが、結果として本当になってしまうということ。

類語: 「冗談から駒」、「冗談がほんま」、「瓢箪から駒

嘘吐きは泥棒の始まり
(うそつきはどろぼうのはじまり)

 平気で嘘を言うようになると、平気で盗みを働くようになるということ。

同意語: 「嘘つきはやがて泥棒」、「嘘と盗みは隣り合わせ」、「嘘は盗みのもと」

嘘も方便
(うそもほうべん)

 嘘は悪いことであるが、物事を円滑に運ぶ手段としては、ときには使った方がよいこともあるということ。本来は仏教の言葉で、衆生を仏の道に導くためには、ときにはたとえや嘘も必要であるの意から出た。

類語: 「嘘も誠も話の手管」、「嘘も追従も世渡り」、「嘘をつかねば仏になれぬ」

烏孫公主
(うそんこうしゅ)

 政略結婚の犠牲、またそれによって悲運に泣く女のこと。

うだつが上がらぬ
(うだつがあがらぬ)

 (1)頭がおさえられて思うように出世できないことのたとえ。
 (2)生活が向上しないことのたとえ。

歌は世に連れ世は歌に連れ
(うたはよにつれよはうたにつれ)

 流行歌は世の中の動きにつれて変わり、世の中の有様も歌に影響されて変わるということ。

同意語: 「歌は世に連れる」

内兜を見透かす
(うちかぶとをみすかす)

 相手の秘密や弱点などを見破ることのたとえ。「内兜」は兜の内側の意から転じて、人に知られたくない内部の事情。

類語: 「足元を見る

有智高才
(うちこうさい)

 生まれつき頭の働きがよく、学習によって得た才能も優秀なさま。

内股膏薬
(うちまたごうやく)

 ⇒「二股膏薬

烏鳥私情
(うちょうしじょう)

 親孝行をしたいという気持ちをへりくだっていう言葉。カラスはひなの時に養われた恩を成長してから返す親孝行な鳥とされている。

有頂天外
(うちょうてんがい)

 有頂天を極め、さらにその上の状態。

迂直の計
(うちょくのけい)

 実際的でないように見えて、実は最も現実的で効果のある計略のこと。わざと迂回して敵を安心させ、妨害のないのに乗じ先に到着する戦法。

移れば変わる世の習い
(うつればかわるよのならい)

 時世が変われば世の有様も変わる。

類語: 「有為転変

腕が上がる
(うでがあがる)

 技能が上達する。

腕がある
(うでがある)

 技能が優れている。

腕が鳴る
(うでがなる)

 自慢できる能力を発揮したくてじっとしていられなくなる。

腕に覚えがある
(うでにおぼえがある)

 技能に自信を持つ。

腕に縒りをかける
(うでによりをかける)

 技能を発揮しようとして勢いこむ。

腕を買う
(うでをかう)

 技能を優れたものとして認める。

腕を拱く
(うでをこまねく)

 傍観する。

腕を振るう
(うでをふるう)

 能力を十分に出す。

腕を磨く
(うでをみがく)

 技能が上達するように努力する。

烏兎怱々
(うとそうそう)

 月日が流れるのは早いということ。「烏兎」は、中国では、太陽には金烏きんうという三本足の烏が棲み、月には玉兎ぎょくとという兎が棲むと考えたことから、太陽と月の意。転じて、歳月のこと。

同意語: 「烏飛兔走うひとそう」、「兎走烏飛とそううひ

独活の大木
(うどのたいぼく)

 体ばかり大きくて、何の役にも立たない人をたとえて言う。ウドの茎は生長すると二メートル以上にも達するが、若芽のように食用にもならず、柔らかいために用材にもならぬことから言う。

類語: 「大男の見掛け倒し」、「大男総身に知恵が回りかね」、「張子の虎」

優曇華の花
(うどんげのはな)

 非常にまれなことのたとえ。「優曇華」はインドで三千年に一度咲くという想像上の植物。

類語: 「千載一遇

鵜の真似をする烏
(うのまねをするからす)

 自分の能力を省みないで、いたずらに人まねをすると失敗するということ。鵜のまねをして魚を捕ろうとする烏は水におぼれるの意から言う。

同意語: 「鵜の真似する烏は水に溺れる」、「鵜の真似する烏は水食らう」

鵜の目鷹の目
(うのめたかのめ)

 熱心に物を探そうとして油断なく目を配るようすを言う。鵜が魚を探し、鷹が獲物をねらうような鋭い目つきから言う。

烏白馬角
(うはくばかく)

 カラスの頭が白くなり、馬に角が生じるというような、全くありえないこと。

烏飛兔走
(うひとそう)

 歳月がたつのが、あわただしく速いこと。

同意語: 「烏兎怱々」、「兔走烏飛」

旨い物は宵に食え
(うまいものはよいにくえ)

 旨い物はまずくならないうちに早く食べよということ。明日に延ばさずに宵のうちに食べよの意で言う。

同意語: 「旨い物は宵に食え言いたいことは明日言え」

馬が合う
(うまがあう)

 互いの気心が合って、気持ちがしっくりいくこと。乗り手の気持ちと馬の気持ちがぴったり合うことから言う。

馬には乗ってみよ人には添うてみよ
(うまにはのってみよひとにはそうてみよ)

 何事も経験してみないと本当のところは分からないということ。馬のよしあしは乗ってみないと分からないのと同様に、人のよしあしは親しくつきあってみないと分からないの意から言う。

同意語: 「人には添うてみよ馬には乗ってみよ」

馬の耳に念仏
(うまのみみにねんぶつ)

 人の忠告や意見を聞き流すだけで、少しも聞き入れようとしないこと。また、有意義な話をしても理解されず、するだけ無駄であること。馬には念仏の有り難さが分からないことから言う。

同意語: 「牛に経文」、「犬に論語」、「豚に念仏」、「猫に経」、「馬に念仏」
類語: 「蛙の面に水」、「糠に釘」、「豚に真珠」、「猫に小判」、「馬耳東風

馬は馬連れ
(うまはうまづれ)

 ⇒「牛は牛連れ馬は馬連れ

馬を牛に乗り換える
(うまをうしにのりかえる)

 好都合、有利な方から、不都合、不利な方に切り換えること。

類語: 「馬売って牛を買う」
反意語: 「牛を馬に乗り換える

海千山千
(うみせんやません)

 世の中の苦労を知り尽くして、抜け目なくずる賢くなること。また、そのような人のたとえ。海に千年、山に千年棲んだ蛇は竜になるということから言う。

同意語: 「海に千年山に千年」、「海千河千」
類語: 「一筋縄ではいかぬ」、「古狐のよう」、「古狸のよう」、「煮ても焼いても食えぬ

生みの親より育ての親
(うみのおやよりそだてのおや)

 自分を生んでくれた親よりも育ててくれた親の方により深い恩愛を感じるということ。養父母の恩愛の有り難さを言う。

同意語: 「生みの恩より育ての恩」

海の事は漁師に問え
(うみのことはりょうしにとえ)

 物事は、その道の専門家に聞くのが一番の早道だということ。

類語: 「餅は餅屋

海の物とも山の物ともつかぬ
(うみのものともやまのものともつかぬ)

 物事の性質や傾向がつかめず、将来どうなるか見当がつかないこと。また、人の将来について、どういう人物になるか見当がつかないこと。海でとれたか山でとれたか分からないの意から。

同意語: 「海とも山ともつかぬ」、「海の物とも川の物ともつかぬ」、「海の物やら川の物やら」

梅伐らぬ馬鹿桜伐る馬鹿
(うめきらぬばかさくらきるばか)

 梅の花は新しい枝につき、桜は古い枝に花が咲くことから、樹木を剪定せんていするとき、梅の木は切った方がよく、桜は切ってはいけないということ。

類語: 「桜折る馬鹿柿折らぬ馬鹿」

梅に鶯
(うめにうぐいす)

 よく調和して絵になる取り合わせのたとえ。

同意語: 「卯の花にほととぎす」、「牡丹に蝶」、「牡丹に唐獅子」、「紅葉に鹿」、「松の鶴」、「竹に虎」、「竹に雀」、「波に千鳥」、「柳に燕」

埋もれ木に花が咲く
(うもれぎにはながさく)

 長い間不遇であった人が、意外な幸運に巡り合って世に迎えられること。土中に埋もれて石のように堅くなった木に再び花が咲くの意から言う。

類語: 「枯れ木に花が咲く」、「日の目を見る」、「老い木に花が咲く

有耶無耶
(うやむや)

 あるのかないのかはっきりしないこと。いいかげんなこと。

烏有に帰す
(うゆうにきす)

 すっかりなくなること。特に、火災で丸焼けになって何もかもなくなること。「烏有」は漢文で、「いずくぞ有らんや」と読み下す。

類語: 「灰燼かいじんに帰す」

紆余曲折
(うよきょくせつ)

 経てきた事情などが、ひとことで言えないほど曲がりくねっていて複雑で厄介なこと。

羽翼既成
(うよくきせい)

 物事の組織や基礎ができあがり、いまさら動かしようのないさまをいう。

裏には裏がある
(うらにはうらがある)

 物事の裏面には、計り知れない複雑な事情や仕組みがあるということ。裏に更に裏がある、裏は一つだけではないの意。

同意語: 「底には底がある」

裏の裏を行く
(うらのうらをいく)

 相手の計略に対して更に輪をかけた計略で応戦する意。

怨み骨髄に入る
(うらみこつずいにいる)

 心底から恨むことのたとえ。恨みが骨の芯までしみ通るの意。

同意語: 「怨み骨髄に徹する」、「怨徹骨髄」

裏目に出る
(うらめにでる)

 期待していたこととは逆の結果になることのたとえ。「裏目」はさいころで出た目に対して、その裏側の目で、丁半が逆になっていることから言う。

裏をかく
(うらをかく)

 予想とは反対のことをして相手を出し抜く。

同意語: 「裏を行く」、「裏を食わす」

売家と唐様で書く三代目
(うりいえとからようでかくさんだいめ)

 家を売りに出した富家の三代目は、唐様のしゃれた書体で売家札を書くということ。初代が苦労して築き上げた財産も三代目ともなると、道楽・遊芸にふけって財をすりつぶし、家を売りに出すようになり、その売家札はいかにも道楽者のたしなみを思わせる唐様のしゃれた書体であるという川柳。

売り言葉に買い言葉
(うりことばにかいことば)

 相手の乱暴な言葉に対して、こちらも乱暴な言葉で応酬するということ。「売り言葉」は喧嘩のきっかけになるような言葉。

瓜に爪あり爪に爪なし
(うりにつめありつめにつめなし)

 形のよく似た、「瓜」と「爪」の字の違いを面白く言った言葉。爪は、「瓜」の字の下部にある、「爪」の字にはない部分を指す。

同意語: 「爪に爪なく瓜に爪あり」

瓜の蔓に茄子は生らぬ
(うりのつるになすびはならぬ)

 平凡な親からは非凡な子は生まれないということ。また、原因のない結果はないということ。

同意語: 「瓜の種に茄子は生えぬ」、「瓜の木に茄子は生らぬ」
類語: 「燕雀えんじゃくほうを生まず」、「蛙の子は蛙
反意語: 「鳶が鷹を生む

烏鷺を戦わす
(うろをたたかわす)

 囲碁を打つこと。「からす」は黒く、「さぎ」は白いことから、黒石と白石で勝負を争う囲碁にたとえたもの。

噂をすれば影がさす
(うわさをすればかげがさす)

 人の噂をしていると、たまたま当人が現れることがよくあるということ。とかく悪口に傾きがちであるから、人の噂はほどほどにという教え。

同意語: 「噂をすれば影」、「そしれば影がさす」
類語: 「悪魔の噂は悪魔を招く」、「噂をすれば主来たる」、「噂を言わば番人置け」、「噂を言わばむしろを敷け」

雲煙過眼
(うんえんかがん)

 雲や霞がたちまち目の前を通り過ぎるように、その場限りで、心にとめないこと。

雲烟飛動
(うんえんひどう)

 雲やかすみが飛動するように筆勢が躍動する文字のたとえ。書道でいう「草書」の自由自在な筆の運びにたとえる。

雲外蒼天
(うんがいそうてん)

 困難を乗り越え、努力して克服すれば快い青空が望めるという意味。絶望してはいけないという激励の言葉。

運斤成風
(うんきんせいふう)

 大工の凄腕。転じて、見事な工作を行うこと。

雲合霧集
(うんごうむしゅう)

 雲や霧があっという間にたちこめるさま。多くのものが一時にどっと群れ集まること。

雲散霧消
(うんさんむしょう)

 雲や霧が消え去るように、物事が跡形もなく消えてしまうこと。

雲蒸龍変
(うんじょうりゅうへん)

 雲がわきあがり、龍がそれに乗って不思議な働きをする。英雄・豪傑が機会を得て世に出て、活躍するたとえ。

雲中白鶴
(うんちゅうはっかく)

 雲間を優美な姿で飛翔する白鶴のイメージから、品性の優れた高尚な人物、婦人をさす言葉。

雲泥の差
(うんでいのさ)

 二つの物事の間の差が天と地ほどに隔たりがあるということ。こんなに差があるといった意味合いで使う。

同意語: 「雲泥をへだつ」、「雲泥万里
類語: 「雲壌月鼈うんじょうげつべつ」、「月とすっぽん」、「瓢箪に釣り鐘」、「霄壤しょうじょうの差

雲泥万里
(うんでいばんり)

 天と地が遠く隔たっているほどに、二つのものの差が大きいこと。極端に違うもののたとえ。

同意語: 「雲泥の差

運鈍根
(うんどんこん)

 物事を成し遂げるには、幸運と鈍重と根気の三つが必要である。「ん」の脚韻きゃくいんによって、成功の秘訣として才能よりは運と粘り強さを説くもの。

同意語: 「運根鈍」

運は天にあり
(うんはてんにあり)

 人の運命は天の命ずるところによるということ。人力ではいかんともし難いという悲観的な意味に使う場合と、一度決意した以上は事の成否は天にゆだねて頑張ろうと自分を励ます意味使う場合とがある。

同意語: 「運を天に任せる」、「運を天道に任せる」、「運否天賦」
類語: 「富貴天に在り」、「めいは天にあり」

運否天賦
(うんぷてんぷ)

 ⇒「運は天にあり

運用の妙は一心の存す
(うんようのみょうはいっしんにそんす)

 戦術や規則は、それを愚直に守っているだけでは実際の役に立たない。それを臨機応変に活用してこそ価値があり、活用出来るかどうかは、それを用いる人の心一つにかかっているということ。