頼芸求食
(らいげいきゅうしょく)

 芸を売って生活する。芸が身を助ける。また、官位や禄に未練があってなかなかやめようとしない。

来年のことを言えば鬼が笑う
(らいねんのことをいえばおにがわらう)

 将来のことは予測できないということ。京都系いろはがるたの一つ。予知能力のある鬼は、来年の話をする人間を見て「明日のことすら分からぬくせに」と笑い飛ばすという。「笑う」は馬鹿にする意。

同意語: 「来年を言えば鬼が笑う」

楽あれば苦あり
(らくあればくあり)

 楽しいことがあれば、その後には苦しいことがあるということ。江戸系いろはがるたの一つ。

同意語: 「苦あれば楽あり」
類語: 「楽は苦の種苦は楽の種」、「苦楽は生涯の道づれ」

楽髪苦爪
(らくがみくづめ)

 ⇒「苦髪楽爪

落地成根
(らくちせいこん)

 植物の種子が地に落ちて、やがて根を張る。そして花が咲き、葉が繁り、また落葉となって根に帰る。

楽は苦の種苦は楽の種
(らくはくのたねくはらくのたね)

 いま楽をすれば後で苦労しなくてはならないが、いま苦労すれば後で楽ができるということ。苦楽は相伴って起こるとして言う。

同意語: 「苦は楽の種」
類語: 「雨降って地固まる」、「楽あれば苦あり

洛陽紙価
(らくようのしか)

 ⇒「洛陽の紙価を高める

洛陽の紙価を高める
(らくようのしかをたかめる)

 著書が好評を博して、飛ぶように売れること。しん左思さしが「三都の賦」を作ったとき、張華はこれを大いに称賛した。人々は争ってその詩を書写したので洛陽らくようの紙の値段は高騰したという、『晋書・文苑・左思伝』の故事に基づく。

同意語: 「洛陽紙価」

落花枝に上り難し破鏡再び照らさず
(らっかえだにのぼりがたしはきょうふたたびてらさず)

 ひとたび失われたものは取り返すことができないということ。特に、いったん破れた男女の仲はもとの通りにはならないということ。『伝灯録』に後唐の休静禅師のことばとして「破鏡重ねては照らさず、落華枝に上り難し」とあるのに基づく。鏡も割れれば二度と映さず、花も散れば二度と開かず。

同意語: 「落花枝に返らず破鏡再び照らさず」
類語: 「覆水ふくすい盆に返らず

落花情あれども流水意なし
(らっかじょうあれどもりゅうすいいなし)

 男女の一方に慕う気持ちがあっても、他方にその情が通じないということ。散る花は流れに浮かんで行きたいが、流れる水は知らん顔。唐の白居易はくきょいの詩「落花不語」に「落花ものいわず空しく樹を辞し、流水心無くして自ら池に入る」とあるのによる。

落花流水
(らっかりゅうすい)

 ⇒「落花流水の情

落花流水の情
(らっかりゅうすいのじょう)

 男女の間に慕う気持ちが通じ合うこと。散る花は流れに浮かび、流れる水は散る花を浮かべる。

同意語: 「落花流水」

落花狼藉
(らっかろうぜき)

 花を散らすような乱暴をすること。また、物が入り乱れて散らかっていること。『和漢朗詠集』に引かれた大江朝綱あさつなの漢詩「残惜春」に「落花狼藉たり風狂じての後、啼鳥ていちょう竜鐘雨うつの時」とあるのに基づく。「狼藉」は、狼の寝床の意。落花が乱れて一面に散り敷くさまを、狼の寝乱した跡にたとえた。

濫觴
(らんしょう)

 物事の始まり。『荀子・子道伝』に「昔、江は岷山びんざんより出づ。その初めて出づるや、その源はもっさかずきよりあふるべし」とあるのに基づく。揚子江ようすこうもその水源をたどれば杯にあふれるほどの細流に過ぎない。

乱臣賊子
(らんしんぞくし)

 国を乱す悪臣と親に害を与える子供。不忠不孝の者をいう。

乱世の英雄
(らんせいのえいゆう)

 世の乱れに乗じて活躍する風雲児。後漢の許劭きょしょうが魏の太祖曹操そうそうを「君はすなわち清平の姦賊かんぞく、乱世の英雄なり」と評したところ、曹操は大いに気をよくしたという、『後漢書・許劭伝』の故事。

藍田玉を生ず
(らんでんぎょくをしょうず)

 名門の家から優れた子供が生まれること。三国時代、孫権そんけん諸葛恪しょかつかく(諸葛亮孔明りょうこうめいの兄)の優れた才をほめ、その父のきんに言ったことば。「藍田らんでん」は陝西せんせい省にある県名。美玉の産地として知られた。

同意語: 「藍田玉をいだす」

乱暴狼藉
(らんぼうろうぜき)

 荒々しい振る舞いをしたり、道理にはずれた無法な行いをすること。

卵翼の恩
(らんよくのおん)

 幼少から育てあげられた親の恩。父母が大事に子供を育てる恩をいう。