研修医 天堂独太

 知人からDSのAVG「研修医 天堂独太」というのを借りてやってみたんですが……ド三流ゲームでした。逆転裁判の、状況に沿って手持ちの証拠品を突きつけることによって進めていくというシステムを利用して、手術ゲームを作ってみたら失敗しちゃいました、という感じでしょうか。絵がかなり三流っぽいだとか、ギャグというかおふざけ部分がすべってるだのは、まあ感性によるでしょうから置いておきますが、とにかく逆転裁判をパクったシステムが劣悪で話にならないんですよ。患者を説得するとか、あるいは主人公の迷いを断ち切り決断させる場面とかでカルテ(逆転裁判での証拠品)を選ぶことになるんですが、何を求められているのかがはっきりしないことがほとんどだったりします。何度も間違いながら総当りで当たりを探すんですけども、結局、何故それが当たりなのかよくわからないことが多いっつーのはどうなのよと言いたい。いくつかおかしな部分はあるにしても、基本的には矛盾を指摘するということで、つまりは論理的思考(逆転裁判の場合は屁理屈とでも言うべきかもしれないが)によって選択する逆転裁判に対して、このゲームはどうにも主人公の感情に合わせた選択が必要らしい、とか言おうと思ったけど、やっぱりただ単に無茶苦茶なだけだよな。あと、普通に選択肢ですむような場面でも、何故かカルテの突きつけを強要され、しかもそれが異常にわかりにくいのでストレスが溜まるったらないです。普通の選択肢は場所移動くらいしかないんじゃないのか。
 手術ゲームと言うとLife & Deathを思い出しますが、このゲームもある意味似たような難しさがあります。患者の腹をメスで切る場面での説明は「腹を斜めに切れ」、これだけ。斜めってどっち向き? どの位置? どれくらいの長さを切るの? プレイヤのそんな疑問はサクっと無視され、とにかく適当に切るしかないという状況に。まさにルール無用の残虐プレイ。○○○したLife & Deathをマニュアルなしでプレイした日のことが思い出されましたよ、ホントに。縫合なんかはただラインをなぞるだけという簡単さなんですが、レントゲン等から異常部位を特定するだとか、そういったシーンは無意味に難易度が高くてやる気が奪われていきます。もっとこう、手術をイメージしたミニゲームに置き換えるとか、何かやり方があったんじゃないのかねえ。あんまり手術とかけ離れてると萎えるから、それも難しいか。
 一応少しだけフォローしておくと、話自体は2.5流ぐらいです。あまりにお約束過ぎてヘナヘナにはなりましたが、最低限抑えておくべきポイントは、一応、かろうじて抑えてあるかなと。カルテの突き付けがもう少しまともに機能するか、あるいはそれにこだわらずに普通のAVGにでもしてしまえば、もうちょい楽しめたかとは思います。ただし、その場合でももう少しボリュームがないと厳しいです。(プレイヤにとって)理不尽なカルテの突き付けやら手術シーンに悩まされながらも、4~5時間くらいで終わってしまいますんで。正直、これで五千円も取ろうってのは酷すぎますな。知人の話では、2も出ていてそちらは面白いという話なので、そっちも借りてみようと思いますですよ。

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