ゲームの進め方

 ここでは、Wizardry Likeは初めて、あるいは不慣れな方を対象に、「シナリオ #1 剣匠王の試練場」の序盤の進め方について解説していきます。

タイトル画面

 タイトル画面では、現在位置表示呪文を使用したとき等に、マップ(オートマッピング)表示をするか、座標数値のみの表示にするかを選択出来ます。デフォルトではマップ表示になっており、通常はそのままで構いません。マッピングはハンドマッピングに限るぜ、という熱い思いをお持ちの方のみ、数値表示を選びましょう。
 なお、マッピングをする際には方眼紙が一番ではありますが、PC上でマッピングをしたいという場合には、「D-Mapping2」や「方眼紙マッピング」(いずれもWin版のみ)といったフリーソフトが便利です。

冒険者の登録

 最初から用意されている冒険者を利用するのもよいですが、ここでは冒険者を登録(作成)するところから説明します。
 冒険者の登録は、町外れにある訓練場で行います。パーティーは六人編成で、前衛三人後衛三人という形になり、基本的な職業の組み合わせは、前衛用に戦士が三人、後衛用に魔法使い、僧侶、盗賊が一人ずつになります。前衛の戦士のうち一人か二人は侍や君主などの上級職の戦士系でもよいですが、彼らは成長が遅いので注意が必要です。また、司教を入れたり、魔法使いや僧侶を増やす場合には、僧侶か盗賊を前衛に出すようにしましょう。
 登録するときは最初に名前を入力しますが、名前は後から変更できますので適当な名前でも構いません。
 種族は好みで選んでも構いませんが、種族毎に特性値の初期値と最大値が異なり、職業によって向き不向きがあります。例えば戦士ならドワーフがよく、魔法使いならエルフ、僧侶ならノーム、盗賊はホビット、といった具合です。とはいえ、素早さを重視してホビットの魔法使いを作るというのも面白いと思いますし、先の例が必ずしも最適というわけではありませんので、種族の選択時には、自分の作りたい冒険者像を考えて決めるとよいでしょう。もし迷ってしまうようなら、平均的な特性値を持つ人間かノームにしておくのもよいかと思います。
 性格は職業の条件に沿って決めます。とはいっても、基本的には善と悪の冒険者はパーティーを組めませんので、善と中立、あるいは中立と悪に揃えることになります。また、後々に転職することを考えるのなら、それも踏まえて性格を決める必要があります。しかし、悪の冒険者しか転職出来ない職業というのは忍者しかありませんので、最初は善と中立に揃えておくことをおすすめします。
 特性値はボーナスポイントを振り分ける形になりますが、ボーナスはEscapeキーを押すたびに振り直されますので、満足のいく値が出るまで振りまくることが可能です。しかし、最大60までのボーナスが出る可能性があるものの、基本的なボーナスは5~9であり、10以上、20以上の値が出ることは稀ですので、15~19が出たら満足すべきです。面倒なときは8、9辺りでもよいでしょう。そのボーナスの振り分け方ですが、まずは就きたい職業の条件に合うように振り分けます。余ったボーナスは、戦闘時の行動順に影響する素早さと、その職業にとって重要な特性値を中心に振り分けます。戦士なら力、魔法使いなら知恵、僧侶なら信仰心、盗賊なら運、といった具合です。
 ボーナスを振り分け終わったら、あとは職業を選択して冒険者の登録は終了です。

特性値 解説
力(STRENGTH)  武器(あるいは素手)による攻撃に影響します。
知恵(I.Q)  Mage呪文の習得率、成功率、抵抗力、MP増加などに影響します。
信仰心(PIETY)  Priest呪文の習得率、成功率、抵抗力、MP増加などに影響します。
生命力(VITALITY)  HPの増加、毒やブレスへの抵抗率、蘇生成功率などに影響します。
素早さ(AGILITY)  戦闘時の行動順、宝箱の罠の識別や解除などに影響します。
運(LUCK)  罠の解除やアイテムの鑑定、ブレスへの抵抗率などに影響します。

職業 条件
ST/IQ/PI/VT/AG/LK
性格
戦士
(Fighter)
11/--/--/--/--/--
善 中立 悪
魔法使い
(Mage)
--/11/--/--/--/--
善 中立 悪
僧侶
(Priest)
--/--/11/--/--/--
善 悪
盗賊
(Thief)
--/--/--/--/11/--
中立 悪
司教
(Bishop)
--/12/12/--/--/--
善 悪

(Samurai)
16/11/10/14/10/--
善 中立
君主
(Lord)
15/12/12/15/14/15
忍者
(Ninja)
16/17/16/16/15/16

冒険の準備

 冒険者が揃ったら、城下町にある酒場でパーティーを組みます。最初の三人が前衛、残りが後衛になりますので、順番には注意してください。また、善と悪の冒険者は酒場でパーティーを組むことは出来ません。
 パーティーを組んだら、次は商店で装備物を揃えます。前衛の戦士系(戦士、侍、君主、忍者)は「長剣、胸当て、盾、兜」を、僧侶は「フレイル、胸当て、盾」、盗賊は「短剣、革の鎧、小型の盾」を購入しましょう。所持金が足りない場合には、パーティー内でお金を集めて買い物をします。それでも足りないときは、装備のランクを落とします。前衛が倒れたときのために、後衛の先頭、つまりパーティーの四人目にも装備をさせておいた方が安心ですが、余裕がなければ後回しでも構いません。魔法使いや司教は前衛に出ても大して活躍出来ませんので、装備物は必要ありません。不安なら、お金に余裕のあるときにでも揃えておきましょう。なお、購入した装備物は忘れずに装備しておいてください。
 装備物を揃えてまだ所持金に余裕があるなら、傷薬と毒消しをいくつか買っておきます。特に僧侶が「解毒」を覚えるまでは、毒消しは常にいくつか持っておきたいところです。

AC  アーマークラスの略で、この数値が低いほど、攻撃が当たりにくいことをあらわします。

地下迷宮へ

 準備が整ったら、町外れからダンジョン(地下迷宮)に入ります。ダンジョンに入った直後はまずキャンプ画面になっていますので、装備忘れ等があった場合はここで済ませておきましょう。
 スタートは地下一階からとなっており、新人パーティーはこの地下一階ですらあっさりと全滅してしまう程度の実力しかありませんので、全員がレベル3~4になるまでは、入り口付近の区画で戦闘をこなしてレベルをあげることになります。このゲームでは、玄室と呼ばれる特定の部屋(あるいは空間)ではほぼ確実にモンスターが待ち受けていますが、それ以外の場所で徘徊するモンスターに遭遇する確率はかなり低く設定されています。ですから、まずは入り口付近にあるいくつかの部屋で戦い、その区画の玄室の敵をすべて倒すか、あるいはパーティーが消耗してきたら即座に地上に戻るというのを繰り返すことになります。
 「シナリオ #1 剣匠王の試練場」では、マップ表示キー(デフォルトではキーボードのM, C、テンキーの+、ゲームパッドのボタン3)により、マップと現在地が表示されますので活用して下さい。Mage呪文「明瞭」を使うと向きも表示され、さらに行ったことのある現在階以外の階のマップも見れます。

序盤の戦術

 序盤はとにかく敵を眠らせるのが基本です。一部眠らない敵もいますが、Mage呪文「眠雲」とPriest呪文「誘眠」は中盤辺りまで意外と役立ちますので、どんどん活用しましょう。眠っている敵は当然行動出来ず、攻撃が当たりやすくなり、ダメージも多めに入ります。
 複数グループのモンスターが出現するようになってきたら、先頭グループから攻撃するのではなく、呪文を使用してくる(スペルユーザ系)モンスターやブレスを吐くモンスターから倒していきます。それらのモンスターを1ターンで始末出来そうにないときは、「眠雲」「誘眠」で眠らせるか、スペルユーザ系なら「静寂」で沈黙させるとよいでしょう。もし敵わないようならさっさと逃げるのが得策です。
 初見のモンスターを相手にするときは、出し惜しみせず全力で挑みましょう。呪文やアイテムをケチって舐めプしたら全滅した、というのはWizardry Likeではよくあることです。まだ行ける、と思って進んでいたら全滅したというのもよくある話ですので、余力のあるうちに引き返すのが得策です。
 なお、レベルがあがってきたら、「識別」「聖鎧」の呪文は常にかけておくようにしましょう。

宝箱の扱い

 玄室での戦闘終了後、ほとんどの場合には宝箱を発見出来ます。地下一階ではアイテムが入っていることが少ない上に、入っていても大したアイテムは入っておらず、かつレベルや特性値が低いうちは罠の識別・解除に失敗することが多いのですが、地下一階では一撃で全滅してしまうような危険な罠はありませんので、練習と思って罠の識別・解除をして開けてみましょう。毒消しをいくつか準備し、すぐに地上に戻れる位置で、かつHPに余裕があればさほど恐れる必要はありません。しかし、深い階では致命的な罠であることも少なくありませんので、盗賊による罠の識別とMage呪文「透視」を併用し、罠の識別結果や、パーティーの状況によっては諦めるという選択も重要になります。
 宝箱から入手するアイテムは、不確定状態になっており、装備や使用する分には効果に違いはありませんが、そのままでは商店に売るときに安く買い叩かれてしまいます。アイテムを確定させるには、商店で鑑定料金を払って鑑定してもらうか、冒険者の司教に鑑定させる方法があります。お金のない序盤では商店に払う鑑定料も馬鹿になりませんので、パーティー内の司教に鑑定させるか、パーティーに司教がいない場合には酒場に司教を待機させておき、鑑定だけさせるという手がよく使われます。ただし、レベルや特性値の低い司教は鑑定の成功率も低いため、注意が必要です。

回復とレベルアップ

 迷宮内で消耗した冒険者は、冒険者の宿で休むことで回復させます。HPを回復させるには、簡易寝台以上の部屋に泊まる必要があります。手間はかかりますが、馬小屋に泊まってMPだけを回復させ、一度迷宮に入って回復呪文でHPを回復させるという手もあります。馬小屋を利用するのはWizardry Likeでは定番の手法で、特にお金の少ない序盤では必須と言ってもよいでしょう。
 経験を十分に積んでいると、宿に泊まったときにレベルアップし、呪文の習得、特性値の上下動、HPの増加などの変化があります。

冒険者の死亡・復活

 死亡した(もしくは麻痺・石化した)冒険者は、死体を持ち帰る(地上に連れ帰る)と寺院に収容され、寺院にて復活させることが出来ます。寺院に収容されているという扱いのため、寺院に行くときはパーティーに復活させたい冒険者を入れず、行動可能な(麻痺・石化・死亡・灰化以外の状態の)冒険者でパーティーを組んで下さい。復活させる呪文を使える場合には、地上に戻る前にダンジョン内で呪文を使用するか、地上に戻った後なら、酒場にて対象の冒険者をパーティーに加えて(死体を持ち出す)、ダンジョン内にて呪文を使用して復活させることになります。
 寺院であっても、冒険者がPriest呪文「蘇生」「還魂」を使う場合であっても、死亡からの復活には失敗することがあります。死亡からの復活に失敗すると、冒険者の死体は灰になってしまいます。灰からも復活を試みることが出来ますが、ここでまた失敗してしまうと冒険者は消滅(ロスト)してしまい、二度と復活させることは出来ません。
 ダンジョン内でパーティーが全滅した場合には、冒険者たちの死体はその場に放置されます(※シナリオの設定によっては地上に戻されます)。他の冒険者でパーティーを組み、死体付近でサブメニューの「仲間を探す」コマンドを実行することで死体を回収することが出来ます。死体がどこにあるかわからなくなってしまった場合には、Priest呪文「探魂」を使用して下さい。1パーティーは最大6人までのため、死体を回収するためには、あらかじめ回収用パーティーに空きを作っておくか、もしくはサブメニューの「仲間から外す」コマンドで空きを作って(パーティーを分けて)下さい。

ゲームの中断と再開

 このゲームのプレイデータは、プレイ中に各種タイミングで自動的に保存されます。ゲームを再開するときには、パーティーが地上にいる場合には城下町の酒場で再度パーティーを編成します。パーティーが迷宮内にいる場合には、町外れで「冒険の再開」を選びます。

その後の進め方

 ある程度レベルがあがったら、地下一階を探索しましょう。探索しつくしたら(一部のエリアは後ほど行くことになります)、次の階に降りて、敵と戦ってみてださい。問題なく戦えるようなら探索を開始、もしレベルが足りないと感じるようなら、すぐに戻れる位置でレベル上げをするか、あるいは地下一階に戻ってレベルをあげます。以降は基本的にこの繰り返しです。とにかくマップを埋めるようにして探索し続けていけば、いずれは目的を達成出来ることでしょう。