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フリーゲーム紹介 - [Others]

少女と囚人のジレンマ
[作者] Porn [サイズ] 330KB
[DLサイト] ステッパーズ・ストップ
 「二人組みの犯罪者が独房に入れられて自白を迫られている。もし頑固に黙秘を続けたなら、二人とも一年の禁固刑で済む。しかし、一方が裏切って自白し、相棒にすべての罪をなすりつけたなら、裏切った男は釈放され、裏切られた男は死刑になる。だが、もし二人とも互いに相手を裏切ったなら、二人とも罪をかぶって無期懲役になる。二人の犯罪者はどうしようかと迷う。互いを心から信頼しているのなら、黙秘を続けて一年の刑で我慢すればいいに決まっている。だが、相棒が決して自白しないという自信があるのなら、自分はさっさと自白して、相棒に罪を着せて逃げてしまうという手がある。しかし、お互いが同じことを考えて自白すれば、二人とも無期懲役になってしまう」 さて、あなたならばどうするだろうか。どうするのが最適な方法だろうか。
 これは、囚人のジレンマと呼ばれるゲーム理論だ。これをコンピュータゲームとして再現し、かつ楽しめるものにするのは非常に難しい。何故ならば、囚人のジレンマとはその名前の通りに心の葛藤、つまりジレンマがあってこそ初めて生きてくるゲーム(理論)だからだ。カード(トランプ)ゲームでも、読み合いを主とするゲームは多々あるが、ルールが極限まで単純になっている囚人のジレンマでは、プログラム通りの動作しかしないコンピュータが相手ではいささか役不足であると言える。また、その単純さから、対戦ゲームにすれば良いというものでもないだろう。
 このゲーム「少女と囚人のジレンマ」は、囚人のジレンマを扱ったゲームである。牢獄と思しき場所にいる名も知れぬ主人公は、名も知れぬ女性と囚人のジレンマのカードゲームを行うことになる。ただそれだけならば決して面白いゲームにはならないのだが、このゲームは独特の雰囲気や語りでもって、見所のあるゲームになっている。強調か、裏切りか。女性を信頼するのかしないのか。女性の語りに耳をかたむけることで、ただのランダムゲームにはない緊張感が生まれてくるのだ。そして、カードゲームが終わった時点で終わるのではなく、主人公は牢獄を脱出すべく動きだす。選択肢は固定なので、この脱出部分には前半ほどの緊張感はないが、それでも前半のカードゲームの結果によって行動時間(行動量、というべきか)が決まってくるので、前半の延長として、ある程度緊張感が保たれたものになっている。
 全体に流れる陰鬱な雰囲気に馴染めるかどうかで大きく評価の分かれそうなゲームではあるが、ワンプレイ十分程度の内容なので、もし興味を持ったなら是非一度プレイしてみることをお薦めする。(2003/5)

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