ジョニー：なんつーかよ、もっとこう地味なシナリオがやりてえよな。
ボブ　　：地味ッスか？　そんなシナリオ作ったって誰もプレイしてくれないんじゃないッスか？
ジョニー：そうか？
ボブ　　：そうッスよ。派手派手な方が人気出るッスよ。
ジョニー：いやいや、見た目の演出が派手だとか地味だとかじゃなくてな。内容がな、もっとこうTRPGでよくあるような、冒険者が普段受けてる依頼を描いてるようなシナリオがやりてえわけよ。
ボブ　　：そんなよくあるような話を作ったって誰もプレイしてくれないッスよ。
ジョニー：つってもよ、おめえの言う派手なシナリオだってよ、そこらのゲームからパクってきたような話ばっかだろ？　しかも上辺だけなぞってるもんだから中身スッカスカだしよ。俺はもっと地に足のついた地味なシナリオがやりたいんだよな。
ボブ　　：兄貴はそう言うッスけど、その派手なシナリオの方が受けてるみたいじゃないッスか。
ジョニー：そうなんだよな。それが俺には不思議でならないんだよ。CWが好きなヤツってのはよ、Askシナリオに惚れたからこそ好きになったんじゃねえのか？　だったらもっとこう地味なシナリオを好みそうなもんだけどな。
ボブ　　：いやあ、Askシナリオやってないって人も多いみたいッスよ。
ジョニー：なに？　じゃあなんでCWやってんだ？
ボブ　　：兄貴の言う中身スッカスカなシナリオが人気あるからッスよ。そういうシナリオをやって、面白いと思ってやってるんじゃないんスか？　あとは、やっぱり手軽にRPGを作れるツールってことで利用されてるんじゃないんスかね。
ジョニー：手軽に作れるって、そりゃあ確かにそうだが、RPGツクールなんかとはまったくの別物だろう？　そういうRPGを作るツールじゃねえぞ、CWは。
ボブ　　：そうなんスか？
ジョニー：そうなのかっておまえ、俺が今まで散々説明してきただろう。ドラクエだのファイナルファンタジーだのの今流行ってるRPGとは別物だよ、CWはよ。そういうRPGを作るのには不向きだし、そういうのを作るとしたらRPGツクールとかに比べたら断然見劣りするだろう。爪切りで木を切り倒そうとしてるようなもんだよ。用途が違うだろ。
ボブ　　：RPGツクールは製品ッスからねえ。フリーではやっぱりCWが一番作りやすいッスから。
ジョニー：なんだよ、要するにCWはRPGツクールの代用品かよ。CW自体に魅力を感じてるわけじゃないのかよ。
ボブ　　：そうッスね。
ジョニー：はっきり言ってくれるなあ。じゃあアレか？　そういうRPGを作るのに適したフリーソフトが出れば、皆そっちに流れるわけか？
ボブ　　：そりゃ当然じゃないッスか？　兄貴だってそうでしょ？
ジョニー：馬鹿言うな。今流行ってるような普通のRPGをやるんだったらコンシューマ機でドラクエでもなんでもやるよ。よっぽど人気があるゲームならともかく、何を好き好んで素人が作ったRPGをやらなきゃならないんだよ。CWのようなRPGが他に見当たらないからこそ俺はCWをやってるんじゃないか。CWと同じような思想を持ったソフトで良いのが出ればそりゃどうなるかはわからんが、そういうのは恐らく出ないだろうしな。
ボブ　　：そ、そうだったんスか。
ジョニー：そうだよ。当然だろう？　演出だのなんだのを期待するんだったらファイナルファンタジーでもやってた方が百万倍面白いだろうが。勇者の魔王退治みたいなデカイ話だってそうだろ。そんなのをCWでやったって面白くねえよ。
ボブ　　：そ、そうッスか。それじゃあ、兄貴が期待しているようなシナリオは多分増えないッスよ。兄貴と同じ理由でCWをやってる人とか、シナリオを作っている人なんて極少数だと思うッスよ。まあ、他にさっき言ってたようなフリーソフトが出れば、皆そっちに流れると思うんで、そうなれば兄貴が好きじゃないシナリオは減るかもしれないッスけど、そうなったときにシナリオ作者が残ってるかどうかは疑問ッスねえ。
ジョニー：納得出来ちまうのがイヤだな、オイ。
ボブ　　：可能性は高いんじゃないッスかね。
ジョニー：なんか、落ち込んできちまったよ。おい、おまえは平気そうだな。
ボブ　　：俺は今の状況に特に不満はないッスから。
ジョニー：そして別のソフトがもし出たら乗りかえるわけか。
ボブ　　：そうッス。
ジョニー：なんかよ、もう笑う元気もないな。
ボブ　　：じゃあ代わりに俺が笑うッスよ。
ジョニー：遠慮しておく。
ボブ　　：あははははははははははははははは。
ジョニー：やめれ。
ボブ　　：あははははははははははははははははははははははははははは。
ジョニー：やめろっつってんだろうが！！
ボブ　　：ふゴゴッ！？
ジョニー：クソックソックソッ！　なんなんだ畜生！！　うぉおおおおおおおーーーー！！！
ボブ　　：あ、兄貴、どこ行くんスか！？
ジョニー：うるさい！　俺がどこに行こうと俺の勝手だ！！
ボブ　　：あにきぃーーーー！！