アロエラーメンで、ラーメンの新しい可能性を見出した我々は、新たなる挑戦を企画しました。私の発案で、スープの代わりにコーラを用い、麺の上にジャムを乗せよう(もとネタは「こち亀」から)、というものでした。その時のメンバーは、まず私、例の狂介君(仮名)、そして当時同じクラスの仲間、星係数(仮名)、バルタン(仮名)の4名でありました。
4人で私の家に集まり、鉄拳などをやりつつ、我らが料理長、狂介君(仮名)がラーメンを作り始めました。
しかし、ラーメンのスープとするコーラを沸騰させた時点で、我々は己の愚かさを悟ったのです。そう、冷たいコーラに付け麺の様にして食べるのならともかく、コーラを暖めたらとてつもなく不味いということを失念していたのです。かといって、ここで諦めてはご先祖様に申し訳が立ちません。我々は内心の不安を押し隠し(てはいなかったかも知れませんが)、そのままジャムコーララーメン作りを続行したのです。
スープをコーラとして、最後に麺の上にジャム(いちごジャムを使いました)を乗せるだけの、非常に簡単な料理です。すぐに出来上がり、そのラーメンを一目見て我々は驚きました。恐ろしいことに、外見はしょうゆラーメンそのものだったのです。なんか食えそうじゃあないか。恐らく、全員がそう思ったはずです。そう、全員がそのしょうゆラーメンの皮を被った悪魔に惑わされていたのです。 |
まず、私が食すことになり、ラーメンを前に座りました。そして、顔をラーメンに近づけると、まるでコーラを沸騰させたかのような異様な匂いがするではありませんか。ちくしょう、これはしょうゆラーメンじゃあない!(いえ、勿論始めから知っていましたけれども)。私は麺を口に含みました。初めて体験する味が私を襲い、私は後ろに倒れました。他のメンバーの声がやけに遠く感じたのを覚えています。 |
数十秒後、何とか持ち直した私は、果敢にも再チャレンジをしました。あの甘いものが腐った様な味のラーメンに打ち勝つために。一口啜り、もう一口と思いましたが、何故か二口目は食べることができません。脳は食べろと指令を送っているのですが、体の方が拒絶するのです。よし、ジャムに紛れて浮いているウィンナーで一息つこう。そう思い、ウィンナーを口にすると、腐れ甘いのです。甘いウィンナーを食べた人間が、この地球上に一体何人いることでしょう。私は泣きたくなってきました。私は何故こんなことをしているのでしょうか。神への道は遥か遠いのです。
その後、みながジャムコーララーメンを食べましたが、4人がかりでも一杯のラーメンを片づけることは出来ませんでした。そこで、このラーメンの始末をどうつけるかが問題となりました。流しの生ゴミ入れに捨てるのは、ラーメンのあまりの異臭に断念しました。話し合いの結果、庭に埋めることにしました。正直、何か変なものが生えてきそうで恐かったのですが、他に名案もなかったのです。
スコップで庭に穴を掘り、ドンブリの中身をぶちまけ、土を被せて終了です。まるで産業廃棄物や核廃棄物を埋めているようで、気分はすっかりロシア人です。
今回は失敗でしたが、今日の失敗は明日の成功の糧となるのです。「同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」、と出雲の阿国も歌っています。我々は究極のラーメンを求めて永遠とも言える道(ラーの道)を歩いて行かねばならないのです。