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スミレ博士の研究室 - [第十三回]

「NO SMOKING」の謎

 みなさんも、駅などで目にしたことがあるでしょう。「NO SMOKING」という表示を。最近ではいたるところにこの表示があります。いったいこの謎の表示はなんでしょう。何かにつけて、フリーメーソンの陰謀や、カッバーラの奥義がどうとか言いたがる輩も、何故かこの表示に関しては説明をしようとはしません。今回は、この謎の「NO SMOKING」という表示がなんなのか、皆さんにご説明しましょう。
 言うまでもなく、相撲は日本の国技です。古来より、相撲取りは神の前でその力を示すという、いわばシャーマン的な役割を果たしてきました。現在においても、日本の子供の約76%が、将来相撲取りになりたいと言うくらいで、相撲はいわば日本の力の象徴とも言えるのです。横綱というのは、その相撲取りの中でも、その頂点に立つ、日本の力の象徴の頂点に燦然と輝く存在です。その横綱に憧れない者など、日本人にいてはならないのです。
 「NO SMOKING」という表示が現れたのは、曙が初の外国人横綱になってからです。つまりこれは、外国人力士に横綱の地位を奪われたことに憤慨し、曙を横綱とは認めないぞ! という意志の表われなのです。もちろん、個人の意志ではありません。日本全国にほぼ同時期に現れたことから考えても、日本人の無意識下に眠る、日本人としての誇りが原因だと思われます。
 基本的に日本人は、外人が嫌いです。それは、島国であったが故に他国との交流が盛んではなく、日本人が非常に内向的な性格になってしまったためです。異文化と接触することによって、自分達の殻に閉じこもっているだけでなく、積極的に他社と交わっていかなくてはならないという認識が生まれるわけですが、ほとんど異文化と接触することがなかった日本人の根底には、非常に内向的な性格が存在するのです。勘違いしないでいただきたいのは、個人の話ではなく、日本人全体としての話だということです。
 その外人嫌いの日本人が、外人の横綱など認めるはずもありません。しかし、日本は急速に成長した国であるが故に、何かと外国から叩かれやすいのです。もし、自分らのエゴで外人力士を認めなければ、何を言われるかわかったものではありません。そこで、仕方なく曙を横綱にしたのですが、日本人の心の奥に眠る、陰湿な外人嫌いの感情が黙っているはずもありません。そしてその結果、「NO SMOKING」という表示が町中に溢れているのです。
 この「NO SMOKING」という表示は一見、禁煙マークのように見えますが、それはあくまでもカモフラージュなのです。何も偽装されていない状態で「横綱ではない」などと表示をしたならば、やはり諸外国が黙ってはいないのですから。くれぐれも、見た目に騙されない様にして下さい。

 それではみなさん、科学する心を忘れずに。


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