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スミレ博士の研究室 - [第八回]

反重力航法への道

 いやあ、みなさん、本当にお久しぶりですね。実践空想学者のスミレです。ヒデ丸君はしっかりやっていましたか? 聞いたところではパンツ博士にご指導して頂いたとか。ま、私がもう少し早く戻ってこれればよかったのですが。

 さて、今回は反重力についてお話したいと思います。
 我々が地表で生活できるのは重力が働いているからです。もし重力が働いていなければ、地面に立つことも叶わず、私達はどこかへ飛んで行ってしまうことになるのです。しかし反対に、この重力の所為で、我々は大変な苦労をして重力を断ち切らねば、宇宙に出ることは叶わないのです。
 みなさんも何度か見たことがあると思いますが、天気の悪い日などにうっすらと見える、地面からあらゆる物体へと伸びた半透明の触手のようなもの、あれが重力です。助手のヒデ丸君のように、たまに見えない人もいるようです。私の開発した「重力鋏」を使えばこの重力を断ち切ることが可能です。しかし、それでは無重力の状態にすることはできても、反重力を作り出すことはできません。
 そこで私は「重力手袋」を開発しました。これをつければ重力を掴むことが出来るのです。そして、私の考えが正しければ、重力の根元に反重力物質が存在するはずです。私は試しに、椅子にかかっている重力を掴みました。そして、その重力を地面から引きずり出したのです。私の予想通り、その重力の先には、通常の物質である椅子と瓜二つの、反重力物質の椅子があったのです。その反重力椅子を空中に放り投げると、それに引っ張られて通常の椅子が徐々に大空へと上って行くではありませんか。実験は大成功です。

 実験で使用した椅子はそのまま宇宙へと行ってしまい、コントロールすることは出来ませんでしたが、今後研究を続ければ、必ず重力を制御することができると確信しました。我々人類が自在に大宇宙を航行する日もそう遠いことではないでしょう。

 それではみなさん、科学する心を忘れずに。


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