ジョニー：……なあ、ボブよ。
ボブ　　：なんスか兄貴。
ジョニー：俺はよ、もうこの『カキーン』て音は聞き飽きちまったぜ。
ボブ　　：じゃあ聞かなきゃいいじゃないッスか。
ジョニー：……。
ボブ　　：扉とか宝箱とか出てくるたびに盗賊の目使うから悪いんスよ。
ジョニー：……。
ボブ　　：そーゆーのを馬鹿の一つ覚えって言うんスよ。
ジョニー：…………なあ、ボブよ。
ボブ　　：なんッスか？
ジョニー：以前キーコードに対応させろとちらっと言ったような気がするんだがな。
ボブ　　：うぃッス。ちゃんと対応させてるッスよ。二重底になってる宝箱だけは鑑定スキル使わないと気が付かないようになってるッス。そこに入ってるカギがないとクリア出来ないようになってるッス。
ジョニー：ほぅ、それで他の宝箱はどうなんだ？
ボブ　　：二重底にはなってないッス。
ジョニー：キーコード対応だよ。
ボブ　　：ああ、二重底の宝箱以外は一切対応してないッス。
ジョニー：扉だののオブジェクトも全部か？
ボブ　　：そうッス。一切対応してないッス。
ジョニー：それじゃ意味ねえんだよボケがぁああ！！
ボブ　　：うひぃ！
ジョニー：最初の二つ三つ調べた時点で『カキーン』ときたらもうこのシナリオは鑑定の類にゃ一切対応してやしねえと考えるだろうが！
ボブ　　：そ、それが狙いなんスよ。
ジョニー：なにぃ？
ボブ　　：対応していないと思わせておいて、実は重要な部分では鑑定しないと困ってしまうという、プレイヤの裏をかいたんスよ。
ジョニー：そりゃただの作者の怠慢だろうが！
ボブ　　：た、怠慢！？
ジョニー：大体こりゃ探索シナリオだろう？　罠の有無を調べもせずに扉だの宝箱開けるなっつーの！　クリックしたらいきなり開けて、それで罠にかかるなんて笑えねえだろうが！
ボブ　　：い、いや、ちゃんと内部で判定してるんスよ。器用度と慎重性の判定に成功すれば普通に開くッス。
ジョニー：メンバーの選択はねえのか？　盗賊の目所持分岐とかしてんのか？
ボブ　　：してないッス。ランダムッス。
ジョニー：それじゃ意味ねえだろが。
ボブ　　：いやあ、いちいち選択するの面倒じゃないッスか。兄貴がいつも言っているように、プレイヤのプレイのしやすさを優先したんス。
ジョニー：そりゃただ単におめえの手抜きだよ。プレイヤのためって言い訳して手抜きしてんだ。
ボブ　　：そ、そんなつもりないッスよ！
ジョニー：冷静に考えてみろ。手抜き以外の何者でもねえだろうが。選択するの面倒だってんなら、最初に調査役だのを指定させておくとかあんだろがよ。器用なキャラがいりゃ不器用なキャラだっていんだからよ、ランダムはねえだろランダムはよ。
ボブ　　：クポポ。
ジョニー：とにかくだ、最初に調査役を決めるにせよ決めないにせよ、罠だの鍵だのの調査を行っているということをちゃんとプレイヤにわかるようにしとけ。あと鑑定と解錠にも対応させとけ。
ボブ　　：で、でも鑑定スキル使うと必ず成功しちゃうじゃないッスか。俺はそれがイヤなんスよ。
ジョニー：何も100%成功させる必要はねえだろ。
ボブ　　：ほえ？
ジョニー：これは好みの問題でもあるがな、鑑定スキルを使った場合には成功率が上がる、つまりは難易度が下がるってのもアリだと思うぜ。判定の対象レベルが通常だと10のところが鑑定スキルを使うと7ぐらいに下がるとかな。
ボブ　　：そういうのもアリなんスかねえ？
ジョニー：そりゃ作者の自由だけどよ、完全成功されるのを嫌って鑑定に対応してないよりはよっぽどマシじゃねえのか。
ボブ　　：う〜ん、そうかもしんないッスねえ。
ジョニー：解錠も同様にしとけば問題ねえだろ。とにかくだ、キーコードには対応させとけ。シナリオの内容にもよるが、特に探索系のシナリオでは必須だと思っておけ。
ボブ　　：う、うう〜ん、でもキーコードって色々なのがあるじゃないッスか。それ全部に対応してたら大変ッスよ。
ジョニー：んなにたくさん対応させる必要はねえだろ。そりゃ対応させたきゃ対応させるのもいいが、そこら辺は常識で考えて使用されそうなキーコードにだけ対応させときゃいいんだ。うまく手を抜くってのはそういうことなんだぜ。扉に向かって暗殺使って、対応してないからって文句言うヤツなんざいやしねえよ。
ボブ　　：な、なるほど……。
ジョニー：とにかくよ、CWには色々な特徴があるが、キーコードってのはCWのかなり重要な部分なんだよ。これのあるなしでプレイの幅が断然変わってくるんだ。CW本来の面白さを追求しようとするのなら、これを避けちゃあ意味がねえのさ。
ボブ　　：わ、わかったッス。頑張って対応させてみるッス。
ジョニー：ああ、まあ気張らずボチボチやっとけ。
ボブ　　：うぃッス。