[MainPage] [Back]

駄作屋ボブの憂鬱

1. 宿で親父と戦闘させてみたッス
ボブ  :兄貴ぃ、ジョニーの兄貴ー!
ジョニー:あぁん? なんでえ、やかましいぞボブ。
ボブ  :CWのシナリオ作ってみたんスよ。ギルドに登録しようと思うんスけど、どうっすかね。
ジョニー:ほぉう。じゃあとりあえずやってみるか。
ボブ  :よろしくお願いするッス。
ジョニー:どれどれ……。
ボブ  :ドキドキするッス。
ジョニー:…………。
ボブ  :ど、どうッスかね?
ジョニー:クソつまんねえ。
ボブ  :ええっ!?
ジョニー:やる価値ねえよコレ。こんなもん人にやらせるなんて迷惑以外の何者でもねえよ。勘違いすんじゃねえぞ。CWエディタは確かに扱いが簡単だ。だがな、それは簡単に作ったシナリオを公開してもいいってわけじゃあねえんだ。人様にプレイしてもらうシナリオはそれなりに作らなきゃダメなんだよ。
ボブ  :そんな、酷いッスよ兄貴! 苦労して作ったのに!!
ジョニー:苦労だとぉ!? 冒険者の宿で宿の親父と戦ってそれで終わりなんてシナリオ作るのにどこで苦労出来るんだよ言ってみろコラァ!! 十分もあれば完成するじゃねえか!
ボブ  :だって初めて作ったシナリオなんだからしょうがないじゃないッスか! エディタの使い方が良くわからなくて勉強しながら作ったんスよぉ!
ジョニー:じゃあなにか、おめぇは自分が練習用に作ったシナリオを人様にプレイさせようってのか?
ボブ  :れ、練習用じゃないッスよ! ちゃんと完結してるじゃないッスか!
ジョニー:どう見ても練習用じゃねえかよ。宿だけだし。選択肢が一切ねえし。戦闘してオチもなく終わるし。
ボブ  :そ、そりゃそうかもしんないッスけど、せっかく作ったんだし誰かにプレイしてもらいたいと思うじゃないッスか。
ジョニー:じゃあ聞くがなボブ。おまえはこのシナリオをプレイして面白いと思うのか?
ボブ  :それは……思わないッスけど、もしかしたら誰か気に入ってくれるかもしれないし……。
ジョニー:いねえよそんなヤツ。
ボブ  :うひぃ。
ジョニー:シナリオ数が少なかった時ならともかく、今じゃこんなシナリオ誰もプレイしてくれやしねえぜ。DLするだけ無駄ってもんだ。
ボブ  :宿が舞台だからって嫌うことないじゃないッスか!
ジョニー:馬鹿だなおめえは。誰も宿が舞台だから悪いとは言ってねえんだよ。このシナリオの舞台がどこだって同じだよ。どうでもいいような会話を一方的に眺めさせられた挙句に問答無用で戦わされてそれで終わりなんてホントどうしようもねえってんだよ。大体親父を倒した後に出てくるコイツは何なんだ? 特に理由もなく腕試しとか言って戦闘になるし、しかも欲しくもねえのにおまけに連れ込みでついてきやがる。これは嫌がらせか?
ボブ  :嫌がらせじゃないッスよ! 俺の考えたキャラを誰かに使ってもらえたらいいと思ったから連れ込み出来るようにしたんじゃないッスか!
ジョニー:欲しくねえよこんなキャラ。
ボブ  :うひぃ。
ジョニー:いきなり登場したわけのわからねえキャラを誰が好き好んで使うってんだよ。使うヤツがいるとすればそれはただ単に画像が気に入ったって場合だけだろうな。まあどうせその場合は画像だけ差し替えたりしておめえの作ったキャラ設定自体には見向きもされやしねえぜ。キャラに愛着が湧くぐらいの内容のシナリオを作らなきゃダメさ。
ボブ  :じゃ、じゃあどうしたらいいんスか兄貴。
ジョニー:どうもこうもねえよ。まず一つのシナリオとして全然ダメなんだからよ。まずはそれなりのシナリオを作るのが先決だろ。
ボブ  :わ、わかったッス。今度は面白いシナリオ作ってギャフンと言わせて見せるッスよ!
ジョニー:ああ、期待しねえで待ってるよ。

[MainPage] [Back]